クライシスマッピングとは

カテゴリ: 防災情報

読み: くらいしすまっぴんぐ

 クライシスマッピングとは、災害時に一般市民がツイッターなどで投稿した情報をもとに、インターネット上に被害の状況を示す地図をリアルタイムでつくっていく「リアルタイム被災支援・地図情報」を言う。

 ICT(情報通信技術)の特長として、膨大な情報を一括して瞬時にデジタル処理・分析することで、幅広い分野で活用できる情報の付加価値を生むことができる。
 たとえば東日本大震災では、不通となった道路情報を車のカーナビ機能から明らかにしたり、タクシーの走行記録から都心部での交通渋滞発生状況を解析、また帰宅困難者のケータイ電話のGPS機能や交信状況からその動きの分析などを可能とした。

 クライシスマッピングは、災害が起きたときに市民がツイッターやフェイスブックなどで投稿した写真や情報をもとに、ITエンジニアがボランティアでインターネット上に地図をつくって被害状況を共有する取り組みである。
 これによって地図上で被害の状況がひと目で把握でき、インターネット上で公開され支援に当たる行政や民間団体などが最新の情報を共有できる。また、自治体の被災、通信の途絶など、情報収集・集約が困難になってもこれを活用できるなど、大きな利点がある。

 クライシスマッピングは、31万6千人に及ぶ死者を出した2010年ハイチ大地震の際、海外ITエンジニアがツイッターを通じて寄せられる情報を整理して、被災状況をリアルタイムでマッピングしたことから本格的に始まったと言われる。
 その後、東日本大震災、2013年伊豆大島台風26号被害、同年フィリピンでの台風30号(国際名:Haiyan ハイエン)による災害などでクライシスマッピングが試みられた。

 この取り組みは、地図データ作成プロジェクト「OpenStreetMap(OSM)」ユーザーを中心に呼びかけられ、全国各地にいるエンジニアが被災状況を集約し、被災した状況に対する解決を図る。
 OSMは、商用利用も含めてだれでも自由に利用でき、かつ編集機能のある世界地図をつくための共同作業プロジェクトで、GPS機能を持った携帯端末、空中写真やほかの無料機械からのデータをもとにつくられ、“地図版ウィキペディア”とも言われる。

 わが国ではクライシスマッピングの開発・活用は緒についたところで、取組みへの協力者、情報提供者をどのように広げていくか、投稿される情報の真偽をどう判断するか、地図を作成するボランティアの人材をどう育てていくか、行政はどのように地図を活用できるかなどが課題となっている。

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