パンデミックとは

カテゴリ: 新型インフルエンザ

読み: ぱんでみっく

 パンデミックとは、感染症などが広い地域(世界的)で同時に流行すること、あるいは、世界的に流行する感染症を指して言う。「感染爆発」と呼ぶこともある。

 パンデミック(Pandemic)の語源は、ギリシア語で「すべて」を意味する「pan」と、「人びと」を意味する「demos」にある。近年よく耳にするパンデミックは「インフルエンザ・パンデミック」を指すことが多く、新型インフルエンザがヒトからヒトへ感染するうちに世界的に広まり、大流行する状態を言う。

 新型インフルエンザウイルスは、動物、とくに鳥類のインフルエンザウイルスが、遺伝子の変異などによってヒトの体内でも増殖するようになり、ヒトからヒトへと効率よく感染できるようになったもの。ほとんどの人類が免疫を持たないため、感染は爆発的に広がり、健康被害だけでなく、社会的影響も甚大になる。

 世界保健機構(WHO)が策定している指標「警告フェーズ」によれば、WHOが定めた6つのフェーズのうち6番目(最悪事態)の「パンデミック期」に相当すると判定されたとき、「パンデミックが起こっている」とされる。なお、1番目のフェーズは「パンデミック間期」でヒト感染のリスクが低い状態。フェーズが上がるほどパンデミックに近づく。

 過去のパンデミック事例では、世界的にもっとも知られるのは、1918年~19年に発生した「スペインインフルエンザ(通称スペイン風邪)」。世界中で感染者が発生し、その数は一説によれば世界人口の3分の1とも、2分の1とも言われている。死亡者数も4000万人~1億人と当時の資料によって幅があるが、圧倒的な犠牲者数をともない猛威を奮ったインフルエンザである。厚生労働省によれば、日本では2300万人が感染し、39万人が死亡したと記録されているという。

 近年では、2009年にインフルエンザ(H1N1)2009ウイルスが流行、人びとが免疫を持っていなかったため秋季を中心に大規模な流行がおきたが、厚生労働省は2011年3月、当時「新型インフルエンザ」と呼ばれたインフルエンザ(H1N1)2009ウイルスについて、通常の季節性インフルエンザとして扱うこととし、対応も通常のインフルエンザ対策に移行した。

 わが国での新型インフルエンザ対策をみると、2005年12月に「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定以降、科学的知見の蓄積を踏まえ、数次にわたって改定を行ってきた。2009年2月の「行動計画」の抜本的な改定があり、さらに2011年9月の改定を経て、2012年5月に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」制定、2013年6月「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」、「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」が策定されている。

 厚生労働省の試算によると、新型インフルエンザ(H5N1型等)で日本では国民の約25%が罹患し、死亡者数は最大64万人になると想定されている。パンデミックが発生すると社会は混乱に陥り、経済活動は大打撃を受ける。
 企業や事業所では社員や職員の半数規模が出勤不可能になることも予測されることから、BCP(事業継続計画)の策定や、危機管理対策上きわめて重要なテーマとなっている。
 家庭においても一定期間持ちこたえられる飲料水、食料の備蓄が必要だ。 またパンデミックが発生してからでは、マスクや消毒除菌商品の入手が困難であり、早めの購入・備蓄が望まれる。

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