ヒートアイランド現象とは

カテゴリ: 環境

読み: ひーとあいらんどげんしょう

 ヒートアイランド現象は近年、地球温暖化の影響と相まって、都市化の進展に伴い顕著となっている。夏季を中心に熱中症のほか乾燥化による呼吸器疾患への影響などの健康被害を生じさせるいっぽう、冬季での感染症を媒介する蚊の越冬といった生態系の変化が懸念されている。また、積乱雲を発達させる要因の1つとなって都市に局地的な集中豪雨をもたらすともされる。

 気象庁は、国や自治体のヒートアイランド対策に資するため2005年から毎年「ヒートアイランド監視報告」をとりまとめ公表している。「2013年ヒートアイランド監視報告〜2013年8月の高温に与えた都市化の影響について〜」によると、東日本と西日本で平均気温がかなり高くなった2013年8月は、平均気温が30℃以上の高温域や、30℃以上の累積時間が200時間以上となる領域が都市部を中心に広がるなど、ヒートアイランド現象が明瞭に現れていたこと、都市化の影響が最近5年間の中でもとくに広域かつ強く現れていたことを示した。

 さらに、東京、大阪、名古屋など主要都市における年平均気温が、都市化の影響が少ないとみられる地点に比べて高く、長期的な冬日の減少、熱帯夜や真夏日などの増加傾向が現れていることを示しており、このような気温の変化は、自然の変動や温室効果ガスの増加に伴う地球規模の温暖化に加え、局地的な都市化も影響しているとした。

 ヒートアイランド現象を起こす要因は、大きく次の3つに分けられる。
1. 土地利用形態(緑地や水面の減少)の影響
 草地や森林等では、地表面が水分を含み、水の蒸発に伴う熱の吸収が気温の上昇を抑える働きをするいっぽう、都市では地表面がアスファルトやコンクリートなどの人工物に覆われ水分が少なく、地表面から大気への直接的な加熱が大きくなり気温が上昇
2. 建築物(高層化)の影響
 建築物は、太陽からの光や地面からの反射光を吸収するほか、地面から放出される赤外線を吸収して放射冷却を妨げ、都市の気温の低下を抑制する。また、建築物によって風がさえぎられ、地表の熱が上空に運ばれにくくなって気温が上昇
3. 人工排熱(人間活動で生じる熱)の影響
 都市における多様な産業活動や社会活動に伴うエネルギー消費により熱が排出され、気温が上昇

 ヒートアイランド現象を防止・緩和するためには、計画的な都市づくりが基本。併せて省エネや建物の断熱化、節電、車の交通量低減、物流の効率化などに取り組み排熱を減らすことが有効である。また、道路の保水性舗装や公園や緑地の整備による緑地の確保、屋上や壁面の緑化、風が通る道の整備など、自然の力を取り入れることも重要となる。

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