低炭素社会とは

カテゴリ: 環境

読み: ていたんそしゃかい

 低炭素社会とは、社会や自然環境に大きな影響をもたらす地球温暖化の原因となる温室効果ガスのうち、大きな割合を占める二酸化炭素(CO2)の排出が少ない社会のことを言う。
 わが国は2008年6月に、2050年までの長期目標として、現状比で二酸化炭素の排出を60%から80%削減する目標を掲げ、低炭素社会への転換を世界に呼びかけた(「福田内閣総理大臣スピーチ」など)。

 低炭素社会では、社会のあらゆる立場の人が環境に配慮し、CO2を減らすための行動や選択をとることが期待される。
 たとえば、一般市民・消費者は、買い物時に過剰な包装を断ったり、再使用品(リユース)の購入やレンタルを利用したり、耐久性のあるものを選んだりなど、環境への負荷を減らすよう気をつけ、また、「地産地消」(自分が住む地域で生産されたものを消費すること)や、CSR(企業の社会的責任)に取り組む企業の商品やサービスを選ぶことなどを通じて、低炭素化に努めることが求められる。

 いっぽう政府は、税制のグリーン化などの仕組みづくりを行う。税制のグリーン化とはCO2の排出に努力する者の税負担が軽くなり、努力しない者の税負担が重くなるという仕組みで、環境税(環境負荷に応じた税の差別化)や自動車税(燃費基準の達成度により自動車税率を軽減)がグリーン化にもっとも効果的な税とされている。

 国の戦略的研究「脱温暖化2050プロジェクト」が2008年5月に報告した「低炭素社会に向けた12の方策」は、低炭素社会を構築するために、たとえば建物の構造を工夫して、光を取り込んだり冷暖房の熱を逃がさない構造にすること、農業経営の低炭素化、自転車や徒歩などで移動しやすいまちづくり、レンタルによる暮らし、森林との共生、地球にやさしい事業活動、無駄のない物流、カーボン・ミニマム系統電力の導入、地産地消、次世代エネルギー供給、担い手づくりなどの具体的な手段を提案している。

 低炭素社会の実現に向けては循環型社会との取り組みを図る必要があるが、これには太陽光発電システムなどのクリーンエネルギーの開発面や規制強化などが求められる。一般的には、再生可能エネルギーの活用、エネルギー効率の向上、無駄なエネルギー消費を削減などが代表的な手段とされる。

 低炭素社会の実現に向けては「カーボンニュートラル」(自然界のカーボン=炭素の増減がない循環や状態、温室効果ガスの排出量と吸収量が同じ)、またはそれに近い循環型社会をめざすことになるが、これには太陽光などのクリーンエネルギーの開発、再生可能エネルギーの活用、エネルギー効率の向上、無駄なエネルギー消費の削減などが重要となる。

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