北海道南西沖地震(1993)とは

カテゴリ: 災害教訓

読み: ほっかいどうなんせいおきじしん(1993)

北海道南西沖地震とは、1993(平成5)年7月12日午後10時17分ごろ、北海道奥尻郡奥尻町北方沖の日本海海底で発生したマグニチュード(M)7.8の地震である。日本海側で発生した地震としては近代以降最大規模で、震源に近い奥尻島を中心に、津波や火災、土砂崩れで大きな被害を出した。当時の奥尻島に地震計はなく、推定震度6と推計されている。

 北海道南西沖地震の地震と津波により、北海道を中心に、死者200人(青森県1人)、行方不明者34人の犠牲者を出した。とくに人口4700人の奥尻島に強い揺れと津波、火災、土砂崩れの災害が集中し、死者・行方不明者は230人にのぼった。

 奥尻島では地震発生からわずか2~3分後の午後10時20分ごろ、津波第1波が島を襲い、島南端の青苗地区で多くの人と、504戸のうち385戸が流された。さらにプロパンガスボンベや家庭用灯油タンクから出火し火災を拡大、190戸、約5万1000平方mが焼失。
 奥尻地区では山崩れがホテルごと呑み込み、島外からの宿泊客を含む29人の犠牲者が出た。島北部の稲穂地区では約70戸が津波にさらわれ集落が消えた。
 札幌管区気象台は地震発生から5分後の午後10時22分、北海道日本海沿岸に大津波警報を発表した。

 津波高は奥尻島がもっとも高く、稲穂地区8.5m、奥尻地区3.5m、初松前地区16.8m、青苗地区6.7mで、遡上高(かけ上がり)では島西岸の藻内地区で23.2m、沢の奥で30.6mを記録した。

 地震発生から3分で高台に逃げるのは、若者が走るか自転車を使うかなど、有効な手段は限られていた。北海道南西沖地震の10年前に「日本海中部地震」(1983年)があり津波も発生、このときは津波襲来まで20分ほどの余裕があった経験から、車での避難者が渋滞中に津波に呑みこまれたり、持ち出し品をまとめていて逃げ遅れた住民もいた。

 奥尻島では多くの住宅が沿岸部の平地に建てられていたことが被害拡大要因となった。また、夜10時の発災も被害を大きくした要因だった。
 最近の南海トラフ巨大地震の被害想定でも、地震発生後数分で津波に襲われる地域(沿岸平野部)が少なくない。奥尻島の津波災害の教訓を極限まで活かす対策が求められている。
 奥尻島ではこの災害のあと、青苗漁港に高さ6.6mの人工地盤が構築され、高台までの避難路がつくられている。

 なお、気象庁では現在、津波警報を約3分以内に発表できるところまで改善を進めている。また緊急地震速報との連係で、これを2分にまで縮めようという努力もなされている。しかし要は、「揺れたら津波!」であり、津波情報を待っている余裕はない。そして、究極の津波対策は「低地に住まない」ことだ。

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