台風とは

カテゴリ: 風水害

読み: たいふう

台風とは、赤道より北で東経180度より西の北西太平洋、または南シナ海にある熱帯低気圧で、低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを指す。

 台風は、暖かい海水が蒸発して発達した積乱雲の集合体となり、やがて回転運動を始め、上空の風に流されて動き、また地球の自転の影響で北へ向かう性質を持っている。このため、通常東風が吹いている低緯度では台風は西へ流されながら次第に北上し、上空で強い偏西風が吹く中・高緯度に達すると、速い速度で北東へ進む。
 また、台風は太平洋高気圧の縁を吹く風に乗って移動することが知られている。
 台風は主に夏から秋にかけて、洋上で発達しながら日本列島に接近、あるいは上陸して、毎年風水害をもたらす。

 台風は、30年間(1981~2010年)平均で年約26個発生し、そのうち約3個が日本に上陸する。なお、気象庁では、台風の中心が九州、四国、本州、北海道の「本土海岸線」を横切ったときをもって「上陸」とする。したがって奇妙な話になるが、本土以外には台風は「上陸」しない。
 日本でもっとも多くの台風が来襲する沖縄も、台風「上陸」数は、なぜか毎年ゼロ。その代わり、台風「接近」数は沖縄が最多となる。「接近」の定義は「台風の中心が、その地点を中心とする半径300km以内の域内に入る」ことであり、平均約11個の台風が日本に「接近」している。

 台風は、日本付近に接近すると上空に寒気が流れ込むようになり、徐々に衰え、温帯低気圧や熱帯低気圧に変わる。また上陸した台風が急速に衰えるのは、水蒸気の供給が絶たれ、陸地の摩擦でエネルギーが失われるからだ。

 台風はわが国に毎年災害をもたらすいっぽう、死者・行方不明者が5千人を超えた1959年伊勢湾台風以降は、わが国での風水害による極端な人的被害は著しく減少し、「日本は風水害に強くなった」とする向きがある。
 その背景には各種災害対策が機能したこと、気象防災情報の精度が向上したこと、家屋が強くなったことなどがあるだろう。しかし、意外な側面を忘れてはならない。それは、かつて大災害をもたらした「昭和の三大台風」に匹敵する強大な台風が、1961年第二室戸台風を最後にこの50年間、日本本土に接近していないという事実だ(沖縄などの離島を除く)。

 東日本大震災では地震津波災害について“未曾有の想定外”が発生した。この半世紀、大規模な風水害が起こっていないことで「日本は風水害に強くなった」とするならば、“もうひとつの安全神話”に陥っている可能性がある。

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