岩手・宮城内陸地震(2008)とは

カテゴリ: 災害教訓

読み: いわて・みやぎないりくじしん(2008)

 岩手・宮城内陸地震とは、2008(平成20)年6月14日午前8時43分ごろ、岩手県内陸南部(仙台市の北約90km、震源の深さ約8km)で発生したマグニチュード(M)7.2の内陸直下地震である。

 岩手県奥州市と宮城県栗原市で最大震度6強を観測し、両市を中心に被害が発生したが、とくに栗原市に被害が集中した。人的被害は、死者は宮城県14人、岩手県2人、福島県1人の計17人。
 建物全壊は30棟、半壊146棟であり、被害の傾向としては、同じ規模の地震と比較して建物被害が少なかったが、中山間地域で土砂崩れを多数引き起こした。国土交通省の調べではその数は約3500カ所と推定された。
 栗駒山麓南東の耕英地区と、花山湖から北西に延びる国道398号沿いの地域が被害の中心になった。栗駒山麓の秘湯として知られる「駒の湯」の温泉宿では大規模な土石流によって7人の死者・行方不明者を出した。

 国道342号は一関市側の祭畤(まつるべ)大橋の崩落をはじめ、斜面4箇所の大規模な崩壊により通行不能となった。その後、祭畤大橋は仮橋を供用しながら新橋が建設され、崩落した祭畤大橋は保存措置がとられた。橋の秋田側には橋のたもとまで行ける歩道が、一関側には展望台「祭畤被災地展望の丘」が設けられ、震災遺構として見学できる。歩道は地すべりで多数の亀裂が発生した国道の路面の上に設置され、路面の被災の様子も見学できる。

 地すべりや斜面崩壊による大量の土砂が各所で川をせき止めたために、計15カ所の天然ダムが生じた。国土交通省は緊急性の高い天然ダム8カ所についての対応整備を直轄事業として実施している。
 多数の地すべりのなかで、荒砥沢(あらとざわ)ダムの上流側で起きた巨大な地すべりは、これまで日本列島で知られる地すべりのなかでも最大規模だった。この土塊の一部がダム湖に流入し、一時、3~4mの津波が発生したが、ダムの堰堤を超えることはなかった。

 日本各地の山間部にある多数のダム湖のなかには、地震などの衝撃で周囲の斜面が大規模な崩壊を起こして土砂が湖に流入し、大津波を引き起こす可能性を否定できないダム湖がある。土砂による大津波が堰堤を乗り越えて下流域を襲えば下流域の町村に大災害を引き起こす。万一に備え、下流域住民に対する避難体制や警報システムの整備が必要だ。

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