東京電力福島第1原子力発電所事故とは

カテゴリ: 原子力災害

読み: とうきょうでんりょく ふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょ じこ

 東京電力福島第1原子力発電所事故とは、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震とこれが引き起こした大津波によって、東京電力福島第1原子力発電所の原子炉が全交流電源喪失状態に陥り、原子炉や使用済み核燃料貯蔵プールの冷却水を循環させる機能と非常用炉心冷却装置の機能を完全に喪失、その結果、炉心溶融と建屋爆発を起こした事故である。

 福島第1原発の6基ある原子炉のうち3基の原子炉で原子炉建屋が水素爆発により損壊して大量の放射性物質が拡散した。その放出量は63~77万テラベクレルと推定され、国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価は、チェルノブイリ原発事故と同レベルのもっとも深刻な「レベル7」とされ、日本社会のみならず国際社会に甚大な衝撃を与えた。
 現在も、住民避難や立ち入り制限、酪農水産物の一部出荷規制など周辺地域への影響が続いている。

 同原発の1~4号機は2012年4月20日付で電気事業法上廃止されたが、核原料物質、核燃料物質および原子炉の規制に関する法律に基づく廃止措置は、使用済み核燃料の除去を要するため、見通しは立っていない。政府と東京電力は2011年12月に廃炉に向けた工程表を決定・公表、廃炉作業完了までは30〜40年かかるとみられている。

 2013年7月には相次ぐ汚染水漏れ問題も浮上、原子力規制委員会は8月、これをINES「レベル3」とし、政府の原子力災害対策本部は9月、政府としてこの問題に主体的に取り組む「基本方針」を打ち出した(2013年9月5日現在)。

 ちなみに、福島第1原子力発電所は、福島県双葉郡大熊町・双葉町に立地する東京電力の原子力発電所で、福島県は東京電力の管轄地域ではなく「管外発電所」である。1~6号機のすべての原子炉は、沸騰水型軽水炉(BWR)で、総出力188.4万kW(事故前の2013年1月現在のデータより)。なお、7、8号機の建設計画が進められていたが、原発事故に伴い2011年5月、計画中止の発表がなされた。
 5、6号機は現在、冷温停止を継続中で、国は廃炉とするかどうかは東京電力の経営判断としている。

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