津波避難タワーとは

カテゴリ: 津波

読み: つなみひなんたわー

津波避難タワーとは、津波が押し寄せたとき、地域住民が一時的に避難するための緊急避難場所で、数メートルから十数メートルの高さ(その場所の想定浸水深+2~4mが目安)のプラットフォームを持つタワー状の構造物。地震発生から津波到達までの時間的猶予や地理的条件等の理由で、近くの安全な高台等への避難が困難と想定される地域に建てられる。

 津波避難タワーは主に自治体がメーカーに発注、あるいは既定の製品を購入するが、基本仕様・デザインはメーカーによって各種あり、鉄製の骨組みや鉄筋コンクリート製のもの、また、想定退避人数も数人から数十人、数百人と、地域・立地条件、発注側自治体の考え方によって異なる。既設のもので、避難スペースに簡易備蓄倉庫を設けるところもある。価格は1千万円程度から。

 設置場所は、一般的に公園や空地、駐車場の一部などだが、最近話題となったのは、静岡県吉田町の道路をまたぐ歩道橋型津波避難タワー建設計画だ。東日本大震災でも大型の歩道橋が一時避難に役立った例があり、平時は歩道橋として利用できるので、この方式を検討する自治体が増えている。
 ちなみに、同じ静岡県吉田町の会社社長の男性が、地域のために約3千万円の避難タワー(約370人収容)を自費負担で建設して話題となった。

 津波避難タワーの構造や強度など安全性について国の基準は定められていないが、国土交通省が都市防災対策としてタワー建設を補助するほか、津波に対する構造耐力上安全な設計法等、技術的知見を自治体に提供している。

 東日本大震災が起こるまでは、東海地震や東南海・南海地震を想定する東海地方・四国などの太平洋沿岸部自治体が津波避難タワーをつぎつぎと設置したが、東日本大震災の津波が想定をはるかに超える巨大津波だったこと、また、南海トラフ巨大地震の津波想定で最大津波高34mという推定が出たことから、各自治体は津波浸水想定の見直しを行っている。
 津波避難タワーについても、新たな建設ニーズが急増するいっぽう、既設タワー改造の問題や、タワーの有効性についての見直しの動きも出ている。

 津波からの緊急的避難場所にはほかに、津波避難ビル、高速道路のり面利用、津波避難マウンド(命山=静岡県袋井市に伝わる高潮対策で造成されたマウンド=小規模な丘に由来)などがある。

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