竜巻、突風とは

カテゴリ: 竜巻

読み: たつまき、とっぷう

竜巻、突風とは、突然吹き出して数分~十数分間続いたのちに収まる激しい強風を言う。
 竜巻は、積乱雲がもたらす強い上昇気流により発生する激しい渦巻きで、多くの場合、漏斗状または柱状の雲を伴う。直径は数十~数百メートルで、数キロメートルにわたって移動しつつ建物などを破壊することから、被害地域は帯状になる特徴がある。

 竜巻は突風に含められる気象現象だが、気象庁では、“激しい突風”をイメージしやすい言葉として「竜巻」を用い、竜巻などの激しい突風に関する気象情報として、2008年3月から「竜巻注意情報」を発表している。
 したがって「竜巻注意情報」には、「竜巻」のほか、「ダウンバースト」(積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れ)や「ガストフロント」(積乱雲の下で形成された冷たい=重い空気の塊が、その重みにより温かい=軽い空気の側に流れ出すことで発生)などに対する注意も含まれる。

 竜巻、ダウンバースト、ガストフロントなどの突風は、わが国では北海道から沖縄にかけて広く確認されており、どこでも発生する可能性がある。ただし、竜巻は沿岸部で多く確認されているが、ダウンバーストやガストフロントにはその傾向はみられない。季節的には7月から10月にかけてが多く、全体の約60%を占める。

 竜巻の規模・強さを表す指標として「F(藤田)スケール(階級)」がある。F0(ゼロ、風速17 ~ 32m)から最大のF5(風速117 ~ 142m)まで、風速と被害状況による6段階がある。ちなみに「F5」の被害状況の説明には「住家は跡形もなく吹き飛ばされ……数トンもある物体がどこからともなく降ってくる」とある(気象庁資料より)。
 Fスケールは日本人気象学者・藤田哲也博士(1920-1998年)のイニシャルにちなむ。藤田博士はシカゴ大学で竜巻やダウンバースト現象を研究、竜巻の規模の基準として1971年に「F(藤田)スケール」を考案、米国に定着させ、国際的な指標となった。

 わが国で「竜巻等突風」対策が本格化したのは近年のことで、2006年9月に宮崎県延岡市(F2)で竜巻が発生して死者3名、同年11月に北海道佐呂間町(F3)で死者9名を出すなど、この年は竜巻災害による年間死者数が記録的な数字となり、2007年度防災白書が「2006年は竜巻災害の恐ろしさが強く印象づけられた年」と特記したことに始まったと言える。
 直近では、2012年5月に茨城県常総市(F3)や栃木県真岡市、茨城県筑西市付近にかけての地域で竜巻(F1~2)が発生し、多大な被害が発生した。
 なお、日本ではこれまでF4以上の竜巻は観測されていない。

 竜巻は、米国では中西部が竜巻発生特異地帯“Tornado Alley”(竜巻の通り道)となっていて、ハリケーンと並ぶ大きな災害要因として位置づけられ、警戒態勢が敷がれている。
 わが国の現段階の技術では「竜巻注意情報」は的中率が極端に低いが(1%ともされる)、その予兆である雷注意報など周辺気象情報の予報精度は高いことから、竜巻の発生自体は決して“想定外”ではない。

 竜巻が発生し身の危険を感じたらどう行動するか。竜巻では吹き飛ばされる危険のほか、突風による飛散物の危険が大きい。気象庁では「身を守る行動」として次を推奨している。
・屋外:頑丈な構造物の物陰で身を小さく、シャッターを閉める、物置や車庫・プレハブ(仮設建築物)のなかは危険、電柱や太い樹木でも倒壊することがあり危険
・屋内:家の1階の窓のない部屋に移動、窓やカーテンを閉める、丈夫な机やテーブルの下に身を小さくして頭を守る、窓から離れる、大きなガラス窓のそばは大変危険

関連用語

藤田スケール 藤田スケールとは、竜巻による被害の規模を表わす指標。日本人気象学者・藤田哲也(1920-1998年)が

メニュー