都賀川水難事故(2008)とは

カテゴリ: 災害教訓

読み: とががわすいなんじこ(2008)

都賀川水難事故とは、2008(平成20)年7月28日に兵庫県神戸市灘区の都賀川で発生した水難事故である。

 活発化した前線の影響により2008年7月28日14時44分ごろから神戸市に突発的で局所的な集中豪雨(ゲリラ豪雨)が発生し、水遊びなどで都賀川や河川敷にいた16人が急激な水位上昇により流され、小学生2人、保育園児1人を含む5人が死亡した(11人は消防団員などによって救助)。

 都賀川は河川整備の成功例として知られ、親水活動や環境学習フィールドとして活用されていたが、この水難事故は河川管理者と流域市民に、想定外の新たな課題を突きつけた。

 都賀川は、神戸市背後の六甲山地から流れる2つの支流が合流した川で、延長約1800m、支流も合わせた全長約3kmの急流河川である。都市部では川の両岸に遊歩道がつくられ、水とふれあうモデル河川でもあった。
 ところがこの日、上流部の六甲山地を激しい雷雨が襲った。その雨量は10分間雨量で24mm(仮に1時間雨量に換算すると144mm)という記録的な降雨量だったとされる。このため川の水位はわずか10分間で134cmも上昇した。
 遊歩道にいた人びとは川の急変にあわてて逃げようとしたが、護岸の高さは約4mあり、逃げ遅れた子どもたちが濁流に押し流された。

 この事故(災害)の背景として、六甲山地をめぐる社会環境の変化と、河川改修の実態が指摘されている。六甲山地では宅地開発が進み、地表はアスファルトでおおわれたのである。このため雨が土にしみ込まず、一気に川へ流れ込んだ。いっぽう川は、雨水を早く海へ流すために、両岸も川底もコンクリートで固める「三面張り」への改修が進められてきた。
 上流に降った雨は、当然のことながら大量に水かさを増し、奔流となって川を下ることになる。

 近年は集中豪雨・ゲリラ豪雨が多くなっている。上流部での雨量計の設置や、危険を知らせるサイレンの設置などの警報システム整備、いざというときの緊急避難対策、水に流されない装置の設置(手すり、取っ手、人が登れる護岸など)など、都市河川の安全対策が急がれている。

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