長崎豪雨災害(1982)とは

カテゴリ: 災害教訓

読み: ながさきごううさいがい(1982)

長崎豪雨災害とは、1982年7月23日から25日までの長崎市付近を中心に長崎県南部に大きな被害をもたらした大雨による大水害である。気象庁はこれを「昭和57年7月豪雨」と命名している。また長崎県では「長崎大水害」としている。本稿では、中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書の命名「長崎豪雨災害」にならった。

 低気圧と梅雨前線による降雨量は7月23日午後7時からの1時間で日本観測史上最高の187mm、同午後7時からの3時間で366mm(日本観測史上3位)を記録した。

 被害は死者・行方不明者299人、全壊584棟、床上浸水1万7909棟にのぼり、主に郊外部の土砂災害と長崎市中心部の都市水害の二面性を有した。“斜面都市”であったことから土砂災害が同時多発し(県内で4457箇所)、長崎市内を流れる中島川、浦上川、八郎川の洪水氾濫は、死者・行方不明者37人に加えて甚大な経済的被害をもたらした。

 住民避難率は27.3%と、防災意識にも問題があった。交通機能の寸断、乗車中の被災、自動車の被災(約2万台)、流された自動車によるダムアップ(河道閉塞)が発生。上・下水道、電力、ガス、電話等の寸断も各地であった。病院、ホテル、デパート等の地下室浸水で電気設備、空調設備、医療機器等などが冠水し重要機能がマヒした。

 長崎豪雨災害の教訓・課題としてとくに「都市水害」が浮上した。自動車は水にもろいので冠水時は自動車使用は避ける、事前に気象情報に注意して高台の安全な場所に自動車を移すなどの対応が求められる。地下室冠水対策では防水板、防水扉の設置が必要で、建設計画段階から地下室への浸水を考慮すべきである。

 住民の避難誘導に関する防災システムや、予・警報、気象情報の伝達などの検討課題が浮き彫りとなり、大きな改善が進められる契機となった。現在、気象庁が発表する「記録的短時間大雨情報」の導入は、この長崎豪雨災害がきっかけとなった。
 集中豪雨はどこでも発生する可能性があり、豪雨災害を踏まえた都市づくりが問われている。また、土砂災害警戒避難体制の確立、防災啓発が大きな課題となった。

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