高病原性鳥インフルエンザとは

カテゴリ: 新型インフルエンザ

読み: こうびょうげんせいとりいんふるえんざ

高病原性鳥インフルエンザとは、鳥に感染するA型インフルエンザウイルスのなかでも、とくに鳥に対して重篤な症状を起こすもの(病原性の高いインフルエンザウイルスによるもの)を言う。

 インフルエンザウイルスにはA型(鳥が宿主=体内に保有していても無症状・無害)、B型(ヒトが宿主、毎年のインフルエンザ流行)、C型(普通のかぜ)の3つの型がある。そのうち、鳥に感染するのはA型インフルエンザウイルス(ヒトの間で流行するA型インフルエンザとは異なる)で、これを「鳥インフルエンザ」と総称する。

 高病原性鳥インフルエンザとは、A型インフルエンザウイルスに感染した鶏、あひる、うずら、七面鳥の病気のなかで、家畜伝染病予防法で定める条件にあてはまるウイルスを言う。
 強毒型の高病原性鳥インフルエンザウイルスによる感染では、感染した鶏の大半が死亡する(死亡率100%の場合もある)など大きな被害が出る。ただし、病原性が低いH5あるいはH7亜型感染の場合は、無症状あるいは軽い呼吸器症状や産卵率の低下を示す程度である。

 強毒型の高病原性鳥インフルエンザウイルス感染への対策としては、農場で発生があった場合はすべての家禽(かきん)を殺処分し、消毒を徹底、人や器材の移動を一定期間制限する。清浄確認検査によりウイルス感染が否定された場合、清浄宣言が出される。

 鳥インフルエンザは、鳥から鳥へは、直接感染だけでなく、水、排泄物等を介しても感染する。ヒトへの感染は、感染した鳥と接触したり、フンを吸い込むなど、大量のウイルスが体内に入った場合に、ごくまれにかかることがある。しかし、鶏卵、鶏肉を食べることによって人が感染した例は、世界的にも報告例はない。

 高病原性鳥インフルエンザは、わが国では家畜伝染病予防法の法定伝染病に指定されている。これまで同病を引き起こしたウイルスはすべてA型インフルエンザウイルスの H5またはH7亜型に限定されている。1997年に香港で発生した高病原性鳥インフルエンザウイルス感染による18人中6名死亡の症例以来、重要な人獣共通感染症と認識されるようになった。

 なお、鳥インフルエンザは、文字どおり鳥のインフルエンザであり、ヒトが感染するインフルエンザとは別物である。また現在は、一般人に感染する危険性はきわめて低く、ヒトからヒトへの感染が確認された例はない。
 ただし、ヒト・インフルエンザウイルスと混じり合い、人間の間で感染する能力を持つ新型インフルエンザウイルスが生まれる可能性は懸念されている。 将来、それが爆発的感染(パンデミック)になる可能性は否定できない。

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