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富士山噴火にも警戒 東日本大震災を機に火山活発化か 内閣府

特に注意せねばならない47の活火山/気象庁HPより

 富士山や桜島などの大規模噴火に備え、内閣府の火山防災に関する検討会は16日、広域避難計画を作成すべきなどの内容を盛り込んだ提言を発表した。対象となるのは全国47ヶ所の活火山。過去の災害記録から、東日本大震災を契機に火山活動が活発化している恐れがあるという。

 

 日本列島には気象庁が定めている活火山が全国で110ヶ所ある。そのうち47ヶ所は特に監視や観測が必要とされており、北は大雪山から南は諏訪之瀬島まで、東日本から中部、九州にかけて広く分布している。

 

 検討会は、それらの活火山が東日本大震災を契機に活発化する恐れがある根拠として、大地震と噴火が集中した9世紀と18世紀に注目。

 

 とりわけ推定M8.3の揺れと巨大津波を起こした貞観地震(869年)は東日本大震災と状況が酷似していると言われており、100年間に12回のM6.5~M8.5クラスの大地震と、3回の富士山噴火(800年、838年、864年)が発生。他の火山も合わせると、記録に残されているだけで13回の噴火(そのうち噴出量10億立方メートル以上の大規模噴火は4回)が確認されている。

 

 また、18世紀にも1707年の富士山を筆頭に全国で9回の噴火を観測。地震についてはM6.5~M8.6まで26回の大地震の記録が残っており、地殻の活動が活発な時期であったとしている。

 

 検討会では、噴火によって火山灰が降り積もると、わずか数センチで車の移動が困難となり、噴出量が数十億立方メートルという大規模噴火になれば数千人からの避難者が出ると想定。たとえば1707年の富士山噴火では16日間にわたり17億立方メートルの降灰が継続し、神奈川県で16cm、東京都で8cmほど積もっており、現代の首都圏では交通麻痺が起きてもおかしくはない。

 

 当然ながら健康面への影響も懸念され、有珠山が噴火した1977年には、降灰2センチの地域で目や鼻、喉、気管支の異常などを確認。1990~1995年の雲仙岳でも島原市で市民の多くが目の痛みや喉の異常を訴えた。

 

 しかし、現時点では、ほとんどの地域で具体的な避難手段などは講じられておらず、検討会では、市町村や都道府県をまたいだ広域避難についても協定の不備などを指摘。47活火山の自治体だけでなく、今後は国や民間業者との協力体制も合わせて検討、調整すべきであるとの見解を示した。

 

 ちなみに、提言資料の中で触れられた「巨大噴火」とは、大型のカルデラを形成するような噴出量100億立方メートル以上の噴火で、日本列島では過去十数万年間で13回発生(最大規模は阿蘇の6000億立方メートル)。

 

 文明断絶にもつながるケタ違いの被害をもたらすとされており、実際、7300年前の鬼界カルデラ巨大噴火では南九州の縄文人がほぼ全滅したと考えられている。7000年前を最後に、このクラスの巨大噴火は観測されていないが、現在のところ国家レベルでの研究体制は何も整っていないという。

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