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海水魚より淡水魚に高濃度の放射性セシウム 環境省調査

水生生物放射性物質調査地点図

 環境省が東日本大震災の被災地で行なっている水性生物の放射性物質モニタリングによると、水生生物の体内に蓄積された放射性セシウム(セシウム134とセシウム137)の濃度は海水魚より淡水魚の方が高くなっている。

 

 この調査は福島第一原発近辺の河川、湖沼、海域13地点を対象に植物(藻類等)、水生昆虫、甲殻類、貝類、魚類、両生類、粗粒状有機物(枯葉等)についてモニタリングしたもので31日、平成24年度秋期分(平成24年9月12日〜11月25日実施)がまとまった。

 

 今回の報告では、おおむね平成24年夏期調査と比較して放射性セシウム濃度は下がっているものの、河川・湖沼では海域と比較して高い放射性セシウム濃度が計測されている。

 

 特に魚類については、海域で最も濃度の高いサンプルがいわき市沖のコモンカスベの118ベクレル/kgだったのに対し、真野川水系 はやま湖(真野ダム)のイワナは5400ベクレル/kgと46倍近くに達している。

 

 はやま湖のイワナは、夏期調査よりセシウム濃度が増えている。これはイワナのえさとなるカワゲラ科の昆虫がセシウム濃度の高い粗粒状有機物(枯葉等)を食べているため、食物連鎖による濃縮が行なわれたとの推測もあるが、一方で同じような食性を持つコクチバスは前回調査より濃度が低下しており、イワナが高濃度になった理由は現在のところ不明。

 

 ただし淡水魚が海水魚より全体的に高濃度な理由については、セシウムがアルカリ金属類に属することから、ミネラル分の豊富な海では魚が体内にセシウムを摂取しても代謝により排出されやすいが、淡水魚の場合、本来の環境にミネラル分が乏しいため、体内に蓄積されやすいと考えられている。

 

 また植物(藻類等)についても、猪苗代湖北岸では夏期調査で42ベクレル/kgだったのが今回135ベクレル/kgに増えているなど、濃度の増減も地域によりさまざまで、環境省では今後も年に3〜4回程度継続的に調査を行う方針。

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