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MERSウイルス致死率60% 有効な抗ウイルス剤はなし

新型コロナウイルス= MERS(中東呼吸器症候群コロナウイルス)の電子顕微鏡写真(撮影: AJC1)

 世界保健機関(WHO)は今月3日から9日にサウジアラビア当局と新型コロナウイルス=MERS(中東呼吸器症候群コロナウイルス)についての評価会合を行ない、MERSウイルス感染症の致死率が約60%に達しており、現在のところ抗ウイルス剤の使用など有効な治療法は見つかっていないなどとした報告を発表した。

 

 同報告によれば、MERSウイルス感染症の確定患者は全世界で55例にのぼるが、致死率は約60%に達している。

 

 また55例のうち40例がサウジアラビアで発症しているが、約75%が男性で、その大部分が「慢性的な持病を持っている人」という特徴がある。

 

 感染の主なパターンは以下の3つ。

 

(1)共同体における散発的な発生。これについては感染経路が現在も不明。

 

(2)家族間感染。この場合、ヒト - ヒト感染は限定的で、家族間での濃密接触により発生している。

 

(3)病院内感染。このパターンはサウジだけでなくフランス、ヨルダンでも発生している。

 

 さらに同報告ではMERSウイルス感染症の診断方法について、確定検査のためにはポリメラーゼ連鎖反応検査(MERSウイルスに特徴的なDNAを抽出する検査)しかなく、臨床の場ですぐに結果が判明する検査がないことも踏まえ、「医師の気づきに大きく依存している」としている。

 

 また治療法についても、対症療法以外に「リバビリン(インフルエンザなどに有効とされる抗ウイルス剤)とインターフェロンの併用」のような有効な抗ウイルス物質の使用方法についてのデータは現在のところないと述べている。

 

 最後に同報告では、これまでの例を見てもMERSウイルスは旅行者などを通じて世界中のどこの国でも発症する可能性があることから、各国の医療関係者に対して、「単なる肺炎だと診断した症例でもMERSウイルス感染症を疑ってみるべき」と呼びかけている。

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