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氷の妖精クリオネ 100年ぶりに見つかった新種は「まるでダルマ」

翼のような足を動かし、体から透けて見える臓器がハートマークにも見えることから「氷の妖精」と呼ばれるクリオネだが、100年ぶりに新種が見つかった…(蘭越町貝の館公式Facebookより)

 巻き貝の仲間で、翼のような足をユラユラ動かして泳ぐ姿から“氷の妖精”として親しまれるクリオネの新種を、北海道・蘭越(らんこし)町の学芸員らが貝の館(同町港町)の学芸員らがオホーツク海で発見した。新種発見は1902年以来、およそ1世紀ぶり。

 

 新種を発見したのは、北海道西部に位置する蘭越町「貝の館」学芸員の山崎友資さんと、道立オホーツク流氷科学センターの桑原尚司研究員。

 

 山崎さんはオホーツク海沿岸で採集した未知のクリオネを1年以上にわたって飼育し、以前から知られているクリオネ(ハダカカメガイ)と遺伝子配列を比較した結果、このクリオネが新種であることをつきとめた。

 

 学名は発見場所にちなんで「クリオネ・オホーテンシス」、和名はダルマのような姿から「ダルマハダカカメガイ」と命名した。

 

 新種のクリオネは、捕食時に餌から出る水溶性の化学物質に反応して体を伸ばして粘液を出し、これは他のクリオネにはない特異な行動だという。

 

 さらに山崎さんらは、北太平洋と北大西洋に生息するクリオネのDNAを比較して、種レベルで区別できることを明らかにした。このことから、国際動物命名規約にもとづいて太平洋のクリオネの学名を「エレガンティッシーマ」、北大西洋のクリオネについては、世界最大の8センチ近くにまでなることから、和名を「ダイオウハダカカメガイ」に変更した。

 

 研究チームによると、クリオネが初めて記録されたのは1675年と古いが、学名が与えられたのは、約100年後の1774年。さらに100年あまり経った1902年に南極海で新種が見つかったのを最後に、今日まで他の種類が認定されることはなかった。まさに1世紀ごとに、少しずつ生態解明が進んでいるという、不思議な魅力の生き物だ。

クリオネ

左aが新種のクリオネで、右bが従来よく知られている種類。新種はダルマのようにずんぐりしていて、捕食行動が独特だという(蘭越町貝の館公式Facebookより)

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