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オス化するメスライオン たてがみ生える 両性愛行動も…アフリカ

ボツワナ北部オカバンゴ・デルタのメスライオン。たてがみがあるが、メスなのだ(撮影:Simon Dures)

 ライオンといえば、「百獣の王」の称号にふさわしく、オスの猛々しいたてがみがシンボル。しかし、アフリカ南部のボツワナでは、たてがみを持つメス5頭の生存が確認され、しかも群れのメスに対してオスのように振る舞う行動まで観察されている。

 

 英サセックス大学のジェフリー・D・ギルフィラン氏らの調査チームは、ボツワナ北部のオカバンゴ・デルタにあるモレミ動物保護区で、2014年3月からこの春まで2年にわたって野生のライオンの群れを観察。

 

 そのうち、「SaF05」と名付けたメスライオンが短いたてがみを持っていることに気づき、行動記録を始めた。SaF05は、通常のメス同様、オスライオンと交尾する場面もあったが、一方で仲間のメスの上にまたがって交尾体勢をとったり、マーキングやオス特有のうなり声をあげたりするなどの変わった行動が見られたという。

 

 また、せっかく仕留めた餌のシマウマを、よその群れに横取りされたときには、仕返しとして、その群れの子ライオン2匹を殺害。ギルフィラン氏は「オスが、我が子以外の子ライオンを殺すのは一般的ですが、メスでは非常に珍しいです」と話す。

 

 オカバンゴ・デルタには、たてがみを持ったメスが他にも4頭いることが確認されており、専門家は遺伝的な要素か、ホルモンの異常が関与しているのではないかと推察している。

 

 かつて、南アフリカの国立動物園で飼育されていた「エマ」というメスライオンにもたてがみがあったが、検査の結果、卵巣異常が見つかり、男性ホルモンの一種のテストステロンが非常に多いことが判明。治療したところ、たてがみが生えなくなったという。

 

 米バージニア工科大学の研究者キャスリーン・アレクサンダー氏によると、たてがみがあるメスライオンは、生殖能力が低く、不妊である可能性が高いと指摘している。

 

 しかし一方で、不妊である点を除けば健康上は問題ないというからまずはひと安心。研究グループは、アフリカの野生ライオンで発見したオス化する遺伝子が他のネコ科の動物でも見られるものかどうか研究を掘り下げたいとしている。

 

 なおこの研究成果は、「アフリカン・ジャーナル・オブ・エコロジー」電子版に掲載された。

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