防災と災害情報のニュースメディア
  • 歴史

防災歳時記6月21日犠牲者4万人の巨大地震と日本イラン関係

イランは自然豊かな国。イラン最高峰 標高5671メートルのダマバンド山(

 今から23年前、1990年の今日6月21日、イランの首都テヘランの北西約200キロでM7.4のマンジール・ルードバル地震が発生した。

 

 その犠牲者は何と4万人。50万人の人が家を失った。

 

 あの東日本大震災ですら犠牲者2万人なことを思うと、マンジール・ルードバル地震の悲惨さは想像を絶する。

 

 あまり日本では知られていないが、アラビアプレートとユーラシアプレートという2つのプレート境界にあるイランは、日本と同様の地震大国だ。

 

 そして地震以外にも日本と多くの共通点があり、かつ日本と縁が深い。なにせかつては日本が最も石油を輸入していた国なのだから。

 

 「日本の高度経済成長はイランが支えた」と言う人もいるくらいだ。

 

 ちなみに核開発をめぐって経済制裁を発動し、関係が悪化している現在でも、依然イランは日本で3番目の原油輸入国なのだ。

 

 さて、じゃ共通点は?という話をする前に知ってほしい。もしかしてイランを「砂漠の国」だとは思っていないか?

 

 イランは砂漠地帯もあるが、高い山も緑の田園地帯もある自然豊かな国だ。

 そして、第1の共通点は、日本と同じ「コメ」を主食としていること。イランではバスマティ米という米を油と塩を入れて鍋で炊く。

 

 それと最近は日本でもポピュラーになったカバブという串刺しの肉を合わせて食べたりする。

 

 左の写真は日本の田植え風景じゃない。イランの田植え風景だ。

 

 カスピ海沿岸地域には、こうした水田(棚田)が広がっている。

 

 さらに驚くべき共通点がある。

 

「ちゃらんぽらん」

 

 この響きからしていい加減な日本語と同じ言葉が、なぜかイランにもあるのだ。

 

「Charand-parand」

 

 ペルシャ語で、この言葉は「意味のない」とか「くだらない」という意味。ちなみに日本人が「ちゃらんぽらん」と発音すれば、たぶん現地では通じる…。

イランの田植え風景 カスピ海沿岸地域には、こうした水田(棚田)が広がっている(撮影: Mostafa Saeednejad)

 さらに衝撃的な共通点を紹介しよう。

 

 それは「コタツ」だ。

 

 なんとイランにはコタツがある。そしてその名前も「Korsi」(コルシ)。

 

 なぜなのかは書いている本人にも分からないが、偶然だとしたら驚くべき一致ではないか。

 

 四角いテーブルに布団をかけるというこの独特の形状。

 

 イランと言えば「ペルシャ絨毯」。イランも日本と同じ玄関で靴を脱ぐ文化だ。

 

 室内でスリッパ代わりのサンダルを履くことはあるが、土足で室内には上がらない。

 

 コタツは「土足厳禁」文化圏の暖房器具なのだ。

イランのコタツ「Korsi」(コルシ)

 さらにダメ押しの「共通点」を。

 

 なんとイランには「ペルシャ書道」と呼ばれる「書の文化」がある。

 

 肖像画を描くことが禁じられているイスラム文化圏で、「絵画」の代わりに「書道」が発達したのだそうだ。

 

 日本とイランは1974年にビザ相互免除協定を締結していたこともあり、最盛期の1993年には不法滞在者も含め4万人以上のイラン人が日本に滞在していた。

 

 しかし関係が冷え込むに従って厳しい国外退去処分を断行するとともに、ビザ相互免除協定も終結し、現在の合法的な滞在者は5000人弱。

 

 先週、イランでは大統領選挙に穏健派と言われるロウハニ氏が大勝利した。ロウハニ氏は核開発問題について欧米と対話し、関係改善することを訴えて改革派の支持を獲得した。

 

 なんとか核問題をイランが解決し、遠く離れているのに共通点が多い日本とイランの関係が改善されることを望みたい。

 

 何となれば、最後にしつこく日本とイランの縁浅からぬ事実を思い出してほしい。

 

 世界に誇れる日本の至宝 ダルビッシュ有。

 

 イラン人の父を持つ彼こそ、日本とイランが浅からぬ関係にあったことのシンボルではないか。

イランには「ペルシャ書道」と呼ばれる「書の文化」がある(撮影: alazaat)

 あなたにオススメの記事

メニュー