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米カリフォルニアで小学生2人がハンセン病発症か?待たれる診断結果

タイで発症したハンセン病患者の手のX線画像。皮膚への病変のほか、末梢神経の肥厚、運動障害、知覚障害などの症状がある(提供:米国立保健医学博物館National Museum of Health and Medicine)

 今年は日本で「らい予防法」が廃止されてから20年の節目の年。かつては偏見や差別があった「ハンセン病」だが、治療薬が開発された現在は、早期発見と治療で後遺症を残さずに治るようになり、発症自体が稀になった。そうしたなか、米カリフォルニア州で先月初め、小学校に通う児童2人に発症の疑いがあるのがわかった。

 

 ルイジアナ州の米国国立ハンセン病研究所プログラムは先月、カリフォルニア州ロサンゼルスから60キロほど内陸に離れたジュロッパ・バレーにある同じ小学校に通う児童2人がハンセン病を発症した可能性があると発表した。

 

 ハンセン病は、らい菌が原因の慢性感染症で、発症すると皮膚と末梢神経に病変が起こる。免疫系が十分に発達していない乳幼児期にらい菌を持った未治療患者と頻繁に接触すると、咳やくしゃみなどの飛沫によって、病原体を吸い込むことで感染するケースがあるが、感染から発病までには数年から数十年の潜伏期がある。

 

 国立感染症研究所によると、現代の日本で新たに発症する患者は、毎年1〜2人程度にとどまるが、一方で、ブラジルやフィリピンなどからの出稼ぎ労働者が日本で発症するケースが目立つ。2014年の世界保健機関(WHO)の調査によると、インドやブラジル、インドネシアなどを中心に世界では年間約22万人が新たに発症しており、国際的に見ると、ハンセン病は決して過去の病ではないのだ。

 

 一般に感染の疑いが持たれた場合、皮膚の診察から近く検査、菌の採取や病理診断などさまざまな検査を行うことから、カリフォルニアの小学生の診断には数週間かかるとみられており、地元ではその行方に注目が集まっている。

 

 しかし、一方で2人が通う小学校では我が子の通学を拒否する保護者も出てきており、地域の保健当局は学校の教室の除菌作業に追われるなど、すでにパニックが起きており、保健当局が冷静に対応するよう呼びかけている。

日本

日本国内で新たに確認されるハンセン病患者の数は年々減少しつつあるが、一方で在日外国人は年間5人程度いるという(提供:国立感染症研究所)

らい菌

電子顕微鏡で見たらい菌(提供:国立感染症研究所)

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