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防災歳時記6月23日 有珠山噴火で昭和新山が誕生

昭和新山のある有珠山は気象庁が噴火を警戒している47の常時観測火山に数えられている/撮影 takumi.412

 今から69年前、1944年の今日6月23日、北海道の有珠山が噴火。火口から溢れ出た溶岩が溶岩ドームを形成し、後にそれは昭和新山と名付けられた。

 

 気象庁によると、有珠山は1663年より10回以上の噴火を繰り返し、これまで多数の死者も出しているが、昭和新山自体は高さ398メートルの代表的溶岩ドームとして国の特別天然記念物に指定されている。

 

 昭和新山のある支笏洞爺国立公園は、文字通り「支笏湖」や「洞爺湖」のほかにも登別温泉や地獄谷、定山渓など、今も北海道を代表する観光スポットが集まった一大国立公園だ。

 

 温泉や湖が多いのは、付近一帯が火山の影響を受けた土地のせいであろう。

 

 支笏湖の「支笏」とは、アイヌ語の「シ・コッ=大きな窪み」が由来で、そもそもこの湖も4万年前の噴火で造られたカルデラに水が溜まったものだった。

 支笏湖に限らず、北海道はアイヌ語由来の地名が多いことで知られる。道内には稚内のように「ナイ」と付く土地が多いが、それには「沢」という意味があるとか。

 

 また、アイヌ語に限らず、日本の地名が自然現象の何かしらと関連性を持つことは珍しくないようで、東日本大震災で被災した宮城県内の地名を照らし合わせる研究者もいる。

 

 たとえば気仙沼市で最も被害の大きかった鶴ヶ浦の「鶴」とは、タンチョウヅルなどの「鶴」ではなく「水の流れ」を表すといい、東松島市の「白萩」には、「白=津波や洪水で家が流されまっさらになること」と「萩=洪水で建物や地面が剥がされる」という、かなり教訓めいた意味が名称に込められているそうだ※1。

 

 東北に限らず、関東・中部地方では、富士山が拝める「富士見」という地名が数多く見受けられるが、我々が気付いていないだけで、日本には自然や災害と密接に関わった名称は他にも数多く点在しているのかもしれない。

 

 が、それは、『防災歳時記6月15日明治三陸地震と津波石』でも触れたように、にわかには信じがたい「言い伝え」なのだろう。

 

 地名にしておけば、必ずや後世にも伝えられる――。

 

 そうまでして先人が残してくれた知恵をどうすれば活かせるのか。もしかしたら今が見直すチャンスなのかもしれない。

 

※1 2013年1月21日・中日新聞参照

 

支笏湖は日本最北の不凍湖/撮影 onigiri-kun

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