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永遠に続く愛?指絡ませた二人の男 工事現場から骨が見つかる ロンドン

ロンドンの鉄道工事現場から、15世紀初頭に黒死病で死んだ男性二人の骨が手をつないだ状態で発掘された(©Crossrail)

 

 英国南東部で現在建設中の鉄道クロスレールのトンネル工事現場から、15世紀に黒死病で亡くなった男性二人の墓が見つかった。二人は指を絡ませるように手をつないで埋葬されており、考古学者は「家族なのか、それとも恋人同士なのか?」と頭を悩ませている。

 

 ロンドンでは現在、中心部を通って東西に延びる総延長118キロの鉄道路線の建設工事が進められている。

 

 2009年の着手以来、古くは8000年以上前の先史時代の石器をはじめ、ローマ時代の蹄鉄など、さまざまな歴史的遺物が発見されている。出土品は先月10日にオープンしたばかりの博物館で目玉企画として展示されているが、今回見つかった二人の男性の骨には、考古学者たちも困惑を隠せないでいる。

 

 14〜17世紀の中世ヨーロッパで猛威を振るった黒死病の犠牲者5万人分の墓のうち、15世紀初頭に亡くなったとみられる男性二人が指を絡ませるように手をつないだ状態で埋葬されていたのだ。

 

 骨の人物の年齢を調べると、一人は36〜45歳、もう一人は少なくとも46歳だと推測され、骨のDNA検査でペスト菌が検出されたという。いずれの人物も虫歯が多く、脊椎に関節炎の痕跡があったことから、生前は重い荷物を運ぶ仕事をしていたと推測される。

 

 考古学チームによると、中世の社会では、家族が同時期に死亡した場合、同じ墓に埋葬されること自体は一般的だったが、夫婦や親子でもない限り、手をつないだ状態で見つかることは稀だとして、二人の関係についてさまざまな憶測が働いているという。

 

 ロンドン考古学博物館の研究者ドン・ウォーカー氏は、「埋葬された土の中で死体が腐敗する間に、体に巻かれていた布が破れたりして、手が動いた可能性も考えられなますが…、あまりロマンティックな理由じゃありませんね」と笑う。

 

 ロンドンの鉄道は、ハリー・ポッターが学ぶ魔法学校へつながっているが、ミステリアスな中世の世界にも私たちを運んでくれるようだ。

発掘

トンネル掘削現場から大量の墓地が見つかった(©Crossrail)

発掘

発掘のようす(©MOLA)

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