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かゆい!皮膚の下をはいまわる寄生虫 ビーチでご注意!米国

ものすごいかゆみで、何かにかぶれたかと思うほどの皮膚幼虫移行症。カリブ海の海でバカンスを楽しんだ2週間後に発病した女性の膝(Dr. Chaiya Laoteppitaks/The Journal of Emergency Medicine/Elsevier Inc. 2017)

 あすからの大型連休。今年は最大で9日連続で休暇をとる人もいるが、南の島のビーチでバカンスを計画している人がこの記事を読むと、ちょっと陰鬱な気分になるかもしれない…。

 

 緊急医療に関する専門誌『ジャーナル・オブ・エマージェンシー・メディシン』に最近掲載された症例報告によると、米フィラデルフィア州のA・アインシュタイン医療センターに、膝に奇妙な形の発疹ができて、猛烈にかゆいと訴える女性が搬送された。

 

 45歳の患者は2週間前にカリブ海のバカンスから帰国したばかり。こんがりと日焼けした体は光り輝くようだったが、膝頭にはかきむしって紫色に腫れ上がった跡があった。しかもミミズ腫れはひとつだけでなく、10匹ぐらいがひとつ箇所に集まっているように見えたという。

 

「ひとめ見た瞬間、典型的な皮膚幼虫移行症(クリーピング病)だとわかりました」と話すのは、寄生虫感染症を専門とするチャイヤ・ラオテピタクス医師。

 

 土の中にいる鉤虫(こうちゅう)が原因の皮膚病で、裸足で歩いたり、日光浴をしたりして皮膚が直接土に触れた場合に、足やお尻、背中などから皮膚の下に入り込み、猛烈なかゆさを引き起こす。鉤虫が侵入して掘り進んだ分は、曲がった糸くずのような、盛り上がった赤い発疹が現れる。

 

 日本でも戦前までは水田の多いところで多数見られ、首都圏近くでも、人糞を肥料として使っていた埼玉県北東部では感染者が多かったことから、「埼玉病」「肥かぶれ」などと呼ばれて時代もあったという。鉤虫は動物の糞便とともに排出された卵が土の中で孵化するもので、症状が進むと、肺や気管支を経て消化管になって、腸の中で成虫になる場合もある。

 

 しかし、カリブ帰りの女性に寄生したのは、人間を宿主とするタイプではなく、通常は犬や猫に感染する種類だったというから驚きだ。医師団によると、成長した鉤虫が死ぬときは皮膚を突き抜けるケースが多く、寄生虫が皮膚の下をはいずり回して猛烈なかゆみを引き起こすようすから「ほふく前進型爆発」と表現する医学書もあるという。

 

 抗寄生虫薬を処方された女性の症状は、その後回復に向かっている。

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