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毒魚によるシガテラ中毒 EU内で急増 ダイエット人気の影で…日本では?

日本で「シガテラ中毒」の原因となることが多い魚3種。上からバラフエダイ、イッテンフエダイ、バラハタ(提供:厚労省)

 沖縄や九州を中心に毒化した魚を食べて、しびれやかゆみなどの中毒症状を起こす「シガテラ中毒」が、スペインやポルトガル、ドイツなどのEU(欧州連合)内で相次いで報告されており、EUの専門機関が実態把握に乗り出した。

 

 日本食の流行や、ダイエット効果があるとして、欧州各国では近年、魚の消費量が増えている。一方で、毒化した魚が原因のシガテラ中毒が増加していて、当初は北大西洋に浮かぶマデイラ諸島やカナリア諸島に限られていたものが、2012年以降、ドイツでは毎年20人ほどの中毒例が確認されているという。

 

 シガテラ中毒とはシガトキシンという毒素が原因の中毒で、フグ毒のテトロドトキシンの数十倍強いといわれる。食べてから1〜8時間ほどで発症し、下痢や吐き気、嘔吐、腹痛の症状が続くとともに、「ドライアイスセンセーション」と呼ばれる冷たいものに触れたときに電気刺激のような痛みを感じたり、冷たい飲み物を口に含んだときに、ピリピリしたしびれを感じることがある。痛みやしびれは断続的に発生し、深刻化すると数カ月から1年以上続く場合もある。

 

 シガテラ毒は、もともとその魚が持っているわけではなく、カリブ海沿岸の太平洋やインド洋のサンゴ礁に生息する微生物を食べた小魚が、更に大きな魚に食べられ、食物連鎖の過程で蓄積されると考えられている。従来は熱帯や亜熱帯地域に限定されていたが、発生が地中海沿岸に広がっているおそれがあるとして、欧州食品安全機関(EFSA)の専門部局が実態把握に向けて調査に着手した。

 

 厚生労働省によると、日本近海で獲れる魚のうち、シガテラ毒を持つ可能性がある種類は、フエダイやマハタ、イシダイ、ヒラマサなどが多く、その数は400種類以上に及ぶ。

 

 2007年〜2016年までに国内で報告があった患者の数は164件と、毎年20件近く発生している。ほとんどが沖縄県だが、最近では九州や本州でイシガキダイが原因の中毒が相次いでいて、問題となっている。

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