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シャチVSサメの戦い 肝臓を襲うシャチの圧倒的勝利 目的は肝油か?

今月24日に南アフリカの海岸に漂着した内臓を食われたホホジロザメの死骸(撮影:Hennie Otto©️Marine Dynamics/Dyer Island Conservation Trust)

 イルカと並んで水族館で人気者のシャチは、愛嬌ある白黒の姿にもかかわらず、「冥界の魔物(Orcinus orca)」を意味する、なんとも恐ろしい学名を持っている。南アフリカでは、その名にふさわしくホホジロザメを次々に惨殺している手口が明らかになった。

 

 ケープペンギンやミナミセミクジラなどの海洋生物の保護活動をしている団体「Marine Dynamics/Dyer Island Conservation Trust」によると、南アフリカのケープタウン周辺の海では、先月以来、ホホジロザメ4頭の死骸が相次いで発見されている。

 

 検死した生物学者アリソン・タウナーさんによると、4頭は不思議なことに肝臓部分が無くなっていた。6月24日に地元のダイビング会社が発見した体長4.1メートルのオスは、死んでから日が浅いと見えて、腐敗はそれほど進んでおらず、肝臓以外に精巣と胃が食われていたという。

 

 ご存知のとおり、ホホジロザメは映画『ジョーズ』のモデルで、通常はアザラシやオットセイ、イルカの子供をエサとすることが多いが、泳ぎが早く獰猛なシャチに対しては、自身にも危害が及ぶリスクがあることから積極的に攻撃することは滅多にないという。

 

 今回は逆にシャチの餌食となったわけだが、米ミネソタ州の聖カタリナ大学のアンドリュー・ノサル生物科学准教授は、「ありえないことではない」と指摘。これまでも米カリフォルニア州サンフランシスコ沿岸で、肝臓を食われた7頭のエビスザメの例が報告されているほか、オーストラリア南部でも同様の報告があったという。

 

 なぜ、肝臓が狙われるのか?という問いに対して、ノサル准教授は、シャチはサメの巨大な肝臓に蓄えられている脂肪(肝油)を狙っている可能性が高いと述べたうえで、「南アフリカ周辺は、大西洋とインド洋が接する海ですから、シャチとサメがライバル同士だというのは不思議なことではありませんが、こんなに連戦連敗だと、そのうちホホジロザメが姿を現さなくなるかもしれません」と懸念の声を上げている。

殺戮

むごい殺戮は5月3日から始まったという(©️www.SharkWatchSA.com)

殺戮

これは今年5月7日に発見された3頭目の犠牲者(©️www.SharkWatchSA.com)

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