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エレキング似の外来ナメクジ 日本のヒルが食べる瞬間をキャッチ!北大

北海道西部の島牧村で目撃されたマダラコウラナメクジ(撮影:Yamakami Ryusei/北海道大学)

 過去10年間で急速に生息範囲を広げている北米原産の大型ナメクジが、日本在来のヒルに食われる姿が北海道で初めて確認された。このヒルは従来、ミミズしか捕食しないと考えられていたが、新たな外来種に対する生物学的な進化の一環だとして、注目が高まっている。

 

 ウルトラマン怪獣のエレキングを彷彿とさせるヒョウ柄の「マダラコウラナメクジ」は、体長が10センチから最大で20センチ近くにもなる侵略的外来種だ。北米原産だが、近年、南米やアフリカ大陸、オーストラリア、ニュージーランドなど生息範囲を拡大。

 

 日本にはもともといない生物だったが、2006年に茨城県内で最初に発見されてから、長野県や福島県でも報告され、2012年には北海道でも確認。以来、わずか5年で、札幌周辺から岩見沢市、芦別市、室蘭市などで発見され、短期間で勢力を伸ばしていることがわかった。

 

 農作物への被害が懸念されるなか、北海道大学大学院農学研究員の森井悠太研究員は生息域の実態把握を目的に、2016年、マスメディアを通じて、一般市民へ情報提供の呼びかけを実施。

 

 2016年2月から10月までに38件の目撃情報が寄せられた。写真や確認場所、発見日などの記録がある29件を分析した結果、札幌市西区の住民から寄せられた写真に、国内在来のカワカツクガビルがマダラコウラナメクジを捕食している姿がとらえられていた。

 

 このヒルは従来、ミミズしか食べないと考えられていたが、今回の発見で、侵略的外来種をターゲットにするよう在来種が進化した可能性が出てきた。森井研究員は、「一般市民の観察が、これまで想像もしなかった成果に結びついた。“市民科学”が外来種の脅威に対して有用であると裏付けられた」と話し、今回の研究成果がマダラコウラナメクジの対策に役立つよう期待している。

 

 なおこの研究成果は生物学誌『BioInvasions Records』に掲載された。

札幌

札幌市西区西町で目撃された日本在来の大型ヒル(黒いほう)がマダラコウラナメクジを捕食する瞬間。このヒルはミミズしか食べないと考えられてきた(撮影:Kikuchi Ayumi/北海道大学)

エレキング

宇宙怪獣エレキングそっくりのまだら模様が特徴で、体長は20センチ近くになる。農作物被害をおこす厄介者(撮影:Michal Maňas/Wikimedia Commons)

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