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「土星には猫がいる!」NASA研究者の粋なネーミングセンス

NASAの土星探査チームが、Fリングを構成する粒子に名付けた名前とは?(Mattias Malmer/NASA)

 土星には60匹の猫がいる…というのは、アメリカン・ジョークでもなんでもありません。今月15日、20年間に及ぶ任務を終えた探査機カッシーニの研究チームが、土星の周りにある「Fリング」の間を周回している60個の小さな衛星に名付けた名前が、可愛らしい子猫を意味しているのだ。

 

 土星の周囲を取り囲む輪の正体は、小さな氷の粒が無数に集まってできたものだ。望遠鏡では円盤のように見えるが、たくさんの細い輪が集まっていて、氷の密度も一様ではなく、土星の公転角度によって、15年ごとに地球から見えなくなる。

 

 それぞれの輪や隙間には名前がつけられているが、カッシーニの研究チームが猫の名前をつけたのは、メインリングの外側にあるFリングの中を旋回している比較的大きめの岩石だ。

 

 つけられた名前は、「ふわふわちゃん(Fluffy)」「ガーフィールド」「ソックス」「おひげちゃん(Whiskers)」など、日本の「チビ」とか「タマ」に当たる古典的な命名から、「アルファ・レオニス・レブ9」など複雑なものまでさまざま。(最後の「アルファ…」も、ふだんは「ミトンちゃん(手袋)」と簡略化されている)

 

 名付け親となったのは、土星の紫外線の波長を調べることで、大気成分を特定する「紫外線イメージング分光器(UVIS)」実験を率いる主任研究員のラリー・エスポジートさん。コロラド大学の大気・宇宙物理学研究室に所属するエスポジートさんは、1977年に打ち上げられたボイジャー宇宙船の時代から研究に携わっていて、ハッブル宇宙望遠鏡や探査機カッシーニの観測を通じて、土星の輪に関するさまざまな発見をしている。

 

 大学院時代には、Fリングの間を進む光の強さの測定を通じて、リングの中を旋回する氷や岩石の粒が衝突してくっついて大きな塊になったり、粉々になる現象を発見。「粒子は絶え間なく壊れては、再生を繰り返す」として、古来より西洋で信じられていた「猫は9つの命がある」という言い伝えから、子猫の名前をつけたという。なんとも粋なセンスじゃないか。

土星

2009年8月に探査機カッシーニが撮影した土星の輪(NASA/JPL/Space Science Institute)

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上はエスポジートさんらが想像する土星の輪のイメージ画。下はFリングの光学的深度を測定して発見した「子猫」。正式な論文にも「子猫」の名前で掲載されている(Morgan Rehnberg)

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