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両手から見つかった針をそのまま放置 リウマチの58歳女性 韓国

58歳の韓国人女性の両手に大量に見つかった鍼灸の針(Park Kyung-Su/New England Journal of Medicine©2017)

 18歳で発症以来、40年近く関節痛に苦しむ韓国人女性がリウマチの専門医のもとを訪れたところ、両手の手首と指の関節から、金の針が大量に発見された。リウマチ薬による治療を拒否して、昔ながらの鍼灸に頼っていたせいで、症状が悪化したケースだ。

 

 米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に今月9日掲載された報告によると、患者は韓国北西部の京幾道(キョンギド)に住む58歳女性。

 

 18歳のときから関節痛に苦しみ、48歳で関節リウマチと診断を受けた。消炎鎮痛剤のイブプロフェンを服用していたが、痛みはいっこうに改善せず、長い間、金製の極細針を使った鍼灸治療を受けていた。

 

 しかし、最近になって手指とともに足の変形も進み、歩行も困難になったため、水原(スウォン)市にある聖ヴィンセント病院を訪れた。リウマチ内科のパク・ギョンス医師は、患者のレントゲン写真を見て目を疑った。左右の手首と中指と薬指の関節に無数の針が埋め込まれていたのだ。

 

 鍼灸は日本や中国ではおなじみの代替医療だが、欧米ではかつて科学的根拠に乏しい乱暴な行為だと考えられてきた。しかし1970年以降、米国で鍼灸専門医の学会が設立されるなど、ここ数十年で浸透しつつある。

 

 驚くべきことにパク医師は「女性の関節痛が悪化したのは針が原因ではない」と指摘。血液検査の結果、女性にはリウマチ性関節炎になりやすい危険因子が、健康な人の40倍以上検出されたのだ。

 

「適切な抗リウマチ薬を服用せずに、伝統医療に頼っていたために、治療が遅れて変形が進んだ可能性があります」とパク医師は言う。そこで、これまで服用していたイブプロフェンを止めて、メトトレキサートとアバタセプトという抗リウマチ薬に変更し、足の変形は外科的手術によって、痛みを大幅に軽減させた。

 

 しかし、両手に残る針は今もそのまま。取り除こうにも体内で針が動くと動脈を傷つけるおそれがあるので、治療の一環として残す方針に決めたというからオドロキだ。

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