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インフルエンザ 「もうダメだ…」男の症状が重くなるのは理由があった!

「熱が出た」「俺はもうダメだ」と男性が風邪を引くと何かとおおげさに見えるが…(イメージ/BMJ)

「体温が37.5℃もあった」「俺はダメだ、死んじゃうかもしれない」…ちょっと微熱があるくらいで大騒ぎする夫や息子にイラっとする瞬間、女性なら誰でも感じたことがあるだろう。

 

 欧米でも似たような状況があるようで、イギリスでは症状を大げさにアピールする男性のことを「マン・フル(男のインフルエンザ)」と揶揄する表現があるとか。

 

 これ、「甘えてるんじゃないの?」と一蹴できない深〜い理由があることを、カナダ・ニューファンドランド記念大学健康センターのカイル・スー准教授がつきとめた。英国医師会が発行する『BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)』に掲載された論文によると、男性と女性ではホルモンの違いによって、風邪やインフルエンザウイルスへの免疫力に差があるというのだ。

 

 スー准教授は、インフルエンザに感染した男と女の症状の違いに関する論文を世界中からかき集めてひとつの結論に達した。すなわち、男の方がインフルエンザや風邪のウイルスへの抵抗力が弱く、症状が重くなったり、死亡リスクが高くなる可能性があるという。

 

 例えば2016年の論文では、男女から採取した鼻粘膜の細胞に卵巣から分泌されるエストロゲンというホルモンを投与し、インフルエンザA型ウイルスを感染させた結果、女性の細胞ではウイルス数が減少したが、男性では変化がなかった。そればかりか、別の研究では 男性ホルモンのテストステロンが、インフルエンザウイルスに対する免疫効果を下げる可能性があることも示された。

 

 また別の研究では、63人の健康な人の白血球から採取した単核細胞を培養して、気管支炎や肺炎を引き起こすライノウイルスを感染させたところ、閉経前の女性の細胞は、同年代の男性の細胞よりも強い免疫反応を示したことという。

 

 2004年〜2010年に香港で行われた研究では、成人男性はインフルエンザで入院するリスクが高いと判明。2007年まで10年間、米国で続けられた死亡率の調査では、男性の方が同じ年齢の女性に比べて死亡率が高かったことから、世界保健機関(WHO)ではかつて、「インフルエンザの実態解明には、性差を考慮すべきだ」と指摘している。

 

 スー准教授は、「一部の研究では実験に参加した人の健康状態や喫煙習慣などは考慮されていない」と断りながらも、「筋肉を増やし、骨格を発達させる男性ホルモンの代わりに、進化の過程で特定のウイルスに対する免疫効果が衰えてしまったのかもしれない」と冗談交じりに話している。

 

 しかし、狩猟生活をしていた人類の祖先と違って、現代人は、病気になったら、ベッドの中で横になりながら一日中テレビを見ていても許されるわけだから、進化は実にありがたいものだと締めくくっている。

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