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防災歳時記8月2日ハンニバルと消費増税と

偉大な戦術家ハンニバル(B.C.247 - 183)

 今から約2300年まえの紀元前216年の今日8月2日、世界を支配す強大なるローマ帝国にとって「悪夢」のような出来事が起こった。

 

 アルプスを越えてイタリア半島に侵攻してきたカルタゴの名将ハンニバルによって、世界最強のローマ軍7万がほぼ全滅した。

 

 ローマ軍より兵力に劣るハンニバルがとった作戦は、自陣中央を厚くして、敵正面に突入。多勢に無勢だから、時が経てば逆に自陣がローマ軍に中央突破されるが、それまでの間に両翼からローマ軍後方に素早く回り込んで、敵を前後からから包囲攻撃する。

 

 いわば「肉を切らせて骨を断つ」作戦。

 

 ハンニバルが考えた作戦は、「包囲殲滅作戦」のお手本として、現代でも各国の士官学校などで、幹部指揮官を目指す者だったら一度は勉強する。

 

 しかしこの歴史的な勝利の瞬間が、同時にカルタゴが滅亡する分岐点でもあった。

 

 カルタゴの騎兵隊長マハルバルは、「この余勢を駆って、一気にローマをおとすべき」と強硬に主張するが、ハンニバルは兵站の不足などの理由からそれを選択せず、ローマ同盟国を帝国から離反させる作戦に転換する。

 

 マハルバルはハンニバルに言った。

 

「あなたは勝利を得ることができるが、それを活用することはできない」

 ハンニバルは偉大な戦術家ではあったが、偉大な戦略家ではなかった。

 

 この瞬間にカルタゴの運命は決まった。

 

 予想外に同盟国はローマから離反せず、戦況は一気にこう着状態となる。

 

 そのうちにローマに名将スキピオ・アフリカヌスが登場し、一気に反撃されカルタゴは紀元前146年陥落した。

 

 「カルタゴの土地には雑草一本すら生えることを許さない」

 

 ローマ帝国は15万人のカルタゴ市民を虐殺し、カルタゴの土地には塩がまかれた。

 

 

カルタゴの遺跡(チュニジア)

  この歴史の教訓を現代の日本に置き換えてみよう。

 

 アベノミクスで景気は回復傾向だ。このまま消費増税せずにさらに景気回復のスピードを上げることを優先べきか?

 

 それとも景気は十分下支えされたと判断して、財政再建のために予定どおり来春、消費税を引き上げるべきか?

 

 安倍晋三首相は秋に判断するとしている。

 

 それは2000年前にハンニバルとマハルバルが論争した時と同じく、国の運命を決める重要な決断になるかもしれない。

経済財政諮問会議での安倍晋三首相(出典: 首相官邸HP)

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