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【南海トラフ地震】四国西部でスロースリップによる地殻変動 9カ月ぶりに観測

2018年2月以降に南海トラフのプレート境界で発生した地震を赤丸で表示した地図(グレーは2017年9月以降に発生/気象庁)

 今後30年以内の発生確率が高い南海トラフ地震について、気象庁は26日、定例の検討会を開き「2月下旬以降、四国中西部でプレートのスロースリップ(ゆっくりすべり)による地殻変動が起きている」と明らかにした。スロースリップが観測されたのは、2017年7月以来、約9カ月ぶりだという。

 

 四国の南から駿河湾にかけて伸びる南海トラフ沿いでは、100〜200年間のスパンでマグニチュード(M)8を上回る巨大地震が起きており、政府の地震調査研究推進本部は昨年12月、今後30年以内に70%の確率で発生すると発表している。

 

 気象庁の検討会によると、先月21日以降、徳島県から豊後水道のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震を観測。翌22日〜3月2日、3月7日〜10日、3月18日〜23日にかけては、愛媛県と高知県の観測点でわずかな地殻変動がとらえられている。

 

 2月19日には、愛媛県と九州・大分県の間の豊後水道で、深さ約40キロ付近を震源とするM5が同時に2回、M3.9の地震が1回起きていて、いずれも震源はフィリピン海プレート内部で発生したという。

 

 2月21日に愛媛県南部で始まった深部低周波地震の活動は、次第に活動域を南西側に広げ、28日には豊後水道でも活動が観測された。今月4日以降は、愛媛県中部から東部、高知県中部で地震波がとらえられ、四国の広い範囲で深部低周波地震が確認されている。

 

 これらの深部低周波地震と地殻変動の動きについて、検討会では南海トラフ地震の震源域のプレート境界で「短期的なスロースリップ(ゆっくりすべり)」が発生しているのが原因だとして、現時点では、「巨大地震発生の可能性が平常時と比べて高まったと考えられる特段の変化はない」と結論づけた。

 

 「スロースリップ」とは、地下のプレートの境界付近の断層がゆっくりとずれ動く現象で、南海トラフ地震の想定震源域では、海洋プレートの沈み込み地帯で繰り返し起こることがこれまでの調査で明らかになっている。

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