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防災歳時記9月5日宇宙の外洋に漕ぎ出る孤高の旅人

NASAの無人宇宙探査機「ボイジャー1号」は「磁気ハイウェイ」にいる(出典: NASA/JPL-Caltech)

 今から36年前、1977年の今日9月5日、NASAの宇宙探査機「ボイジャー1号」が打ち上げられた。

 

 スイングバイ(重力アシスト)により、木星、土星、天王星、海王星を探査したボイジャー1号は、36年経った現在、太陽系の端を一人旅している。

 

 太陽からの距離は約140億キロメートル。地球から最も遠い場所まで旅した「人工物」。

 

 太陽系には太陽から吹き出される高温のプラズマ「太陽風」が吹き荒れている。

 

 いや、正確に言えば、この「太陽風」が吹いている場所を「太陽系」と呼ぶ。

 

 「太陽からの風」は、太陽から離れるほどに弱くなっていく。

 

 ボイジャー1号から送れられてくるデータは、太陽風の速度が、時速112万キロから、がくんと16万キロ以下に落ちたことを伝えた。

 

 それは「内海」の終わりが近いことを示している。

 「太陽系の内海」にいる間は、太陽系の中心から一方向の磁場を感じているが、太陽系と恒星間宇宙の境界線に近づくと、太陽系からの磁場も、他の恒星からの磁場も感じる「磁気ハイウェイ」と呼ばれる領域に入る。

 

 そしてボイジャー1号は、まさに現在、その領域に達していると考えられている。

 

 ボイジャー1号には、地球上のさまざまな写真や言語、音声などと一緒に、地球の場所が記されたゴールドディスクが搭載されている。

 

 このディスクはCD(コンパクト・ディスク)ですらない、旧式のアナログレコード。

 

 もうとっくに電池切れになっているはずのボイジャー1号の原子力電池は、なぜか今も稼働しており、2020年ぐらいまでは持ちそうと予想されている。

 

 「旧式のレコード」という人類の技術力に失笑した「誰か」が、こっそり電池を入れ替えてくれたのかもしれないと想像してみたりする。

 

 磁気ハイウェイを過ぎると、そこは本当の恒星間宇宙。誰も理論上でしか知らない世界だ。

 

 太陽からの風が吹きやみ、遠い恒星からの風が、そっとその体に吹き寄せる時に、孤高の旅人は何を感じるのだろうか。

「ボイジャー1号」に搭載された「ゴールドディスク」には、地球上のさまざまな写真や言語、音声などが記録されている(出典: NASA)

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