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防災歳時記9月10日最後のギロチン 残酷の基準

フランス革命でのルイ16世の処刑の様子

 「ギロチン」と言えば、フランス革命の時に、ルイ16世やマリー・アントワネットが露と消えた、まさに「恐怖」と「残酷」の代名詞のように感じるが、どうもそうじゃないらしい。

 

 古来、フランスにおいて「斬首」は一瞬にして安楽に死を迎えることができる、貴族にのみ与えられた「名誉ある死」で、ギロチンは、受刑者が無用に苦しまず、この「貴族的な死」を平等に迎えられるようにと18世紀に考案された「民主的?な処刑具」だったらしい。

 

 もっともこの装置を「民主的で人道的」と喧伝したギヨタン博士の名前からこの装置が「ギロチン」と呼ばれるようになったのは迷惑したみたいで、家族は全員「改名」したそうだが…。

 

 そして、もっと驚いたことは、フランスでは、フランス革命の時代ではなく、なんと1970年代まで、この「ギロチン」による死刑が行なわれていたこと。

 

 今から36年前、1977年の今日9月10日、チュニジア生まれの殺人犯ハミダ・ジャンドゥビが、フランス最後の死刑執行人マルセル・シュヴァリエによって「断頭台の露」と消えた。

 さらに驚くのは、フランスにおける死刑執行人は「ムッシュ・ド・パリ」という称号が与えられ、その「ギロチン」は死刑執行人の「私有財産」とされていた。

 

 本当に「残酷の基準」は、国や文化によってさまざまだ。

 

 つい最近まで「ギロチン」があったフランスも1981年には死刑を廃止。というかヨーロッパ諸国はこぞって死刑廃止になっており、なんとロシアも1996年以降、死刑執行が凍結されている。

 

 テロリストや内乱に対する厳しい対応で知られるプーチン大統領だが、犠牲者386人を出したベスラン学校占拠事件のチェチェン人テロリストですら終身刑。

 

 テロや内乱解決に向けての冷酷とすら感じる毅然とした対応と、いったん収監された後の「人道的対応」(刑務所内の環境が『人道的』かどうかは定かではないが)の温度差は何なのか。

 

 北米・南米大陸は死刑廃止・存続が半々ぐらい。アメリカは死刑制度があるが、カナダ・メキシコなどは死刑廃止になっている。

 

 日本や中国を始め、アジア・中東諸国はおおむね死刑制度が存続しているが、意外なのは、おとなりの韓国が1997年以来、死刑の執行を凍結していること。

 

 死刑存廃については、さまざまな論点からさまざまな議論がなされている。

 

 死刑存続に対し賛否の意見はあいにく持ち合わせていないが、命や死や残酷さや刑罰をめぐる感じ方・考え方が国や地域によって、これだけさまざまある中で、国連が死刑存続国に対し画一的に非難決議をするといったやり方は、やや違和感をぬぐい切れない。

プーチン大統領があれだけ苛酷にチェチェン独立運動やテロを弾圧するロシアでも、386人もの犠牲者を出したベスラン学校占拠事件のテロ犯を終身刑にしている(撮影: maiak.info)

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