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防災歳時記9月13日核物質が盗まれるというリスク

塩化セシウムの粉末

 今から26年前、1987年の今日9月13日に、世にも恐ろしい事件が起きた。

 

 場所はブラジルのゴイアニア市。

 

 22歳と19歳の若者が、廃業した病院(放射線治療専門病院)から、「これは値打ちがあるんじゃないか?」と思い、スクラップを持ち出した。

 

 重量93キロもあるそのスクラップは、「放射線治療装置」で、そこには50テラベクレルを超える放射性セシウム137の粉末が「線源」として封入されていた。

 

 50テラベクレル。それは福島第一原発事故で放出された放射線総量に近いほどの量。

 

 2人はなんと照射装置を分解して、「線源」をあろうことか自宅に持ち帰った。

 

 持ち帰って2日後くらいから2人は下痢やめまいを起こすが、なんと1週間後には線源の容器に穴を開けてしまう。

 そして2人は、その「お宝」を廃品回収業者に売りさばいた。

 

 買い取った業者は暗いガレージの中で、その粉が青く美しく光っているのに気付く。

 

 彼は家に持ち帰り、家族や親戚、近所の人も招いて、みんなでその「青く光る不思議な粉」を眺め、手に触れ、そして体に塗ってみたりもした。

 

 こうして4人が急性放射線障害で死亡し、249人が放射性物質に汚染された。

 

 「いくらなんでも日本でそんなことは…」

 

 本当にそうだろうか?

 

 今年7月に国際原子力機関(IAEA)は「各安全保障に関するカンファレンス」を開き、次期IAEA核安全保障計画の策定に入った。

 

 今や核安全保障の焦点は、核施設に対するテロ。テロの中身には攻撃や占拠だけでなく、『核物質の盗難』も含まれている。

 

 福島第一原発事故は、原発事故の危険性だけでなく、原発に対する攻撃が一国を崩壊させるに十分な潜在脅威を持ちうることも証明してしまった。

 

 原子力規制委員会の原発施設に関する新規制基準は地震や津波、噴火などの自然災害に対応できる能力の可否がクローズアップされているが、東日本大震災が発生する可能性は1000年に一度。

 

 人の手による災害…、すなわちテロや盗難や攻撃が起きる確率の方が本当は遥かに高いのだ。

福島第一原発事故は、原発に対する攻撃が、一国を崩壊させるに十分な潜在脅威を持ちうることも証明してしまった(出典: 東京電力)

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