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防災歳時記9月14日長野県西部地震

現在でも御嶽山南側斜面の長野県西部地震による巨大な山体崩壊の跡を見ることができる

 今から29年前、1984年(昭和59年)の今日9月14日、M6.8の長野県西部地震が発生した。

 

 場所は御嶽山山麓の王滝村直下。

 

 王滝村は震度6(推定)の烈震に襲われ、御嶽山南側斜面では、巨大な山体崩壊が発生した。

 

 山体崩壊で発生した土砂崩れは、川伝いに時速100キロ近い速度で温泉旅館を飲み込みながら下流へと向かっていった。

 

 この土石流などにより、長野県西部地震では29人が犠牲になった。

 

 この地震には、後から考えるといくつかの「前兆現象」と思える兆候があった。

 一つは、付近の温泉中のガス成分に変化があったこと。

 

 そしてもう一つは、地震発生から5年前の1979年に突如、御嶽山が水蒸気爆発を起こし、約1000メートルの高さまで噴煙を噴き上げたこと。

 

 現在でこそ、御嶽山はランクCの活火山だが、1968年(昭和43年)まで、「死火山」だと思われてきたのだ。

 

 最後のマグマ噴火は約2万年前(のちに2008年の調査で約5000年前にもマグマ噴火があったことが確認されたが)、長らく活動を終えた火山だと思っていたのに、1968年から噴気活動が始まり、地震の5年前に大規模な水蒸気爆発を起こした。

 

 これがきっかけで、「活火山」、「休火山」、「死火山」の定義そのものが見直されることになった。

 

 長野県西部地震と突如復活した御嶽山の火山活動の因果関係は今も解明されていない。

 

 しかしこの話で一つだけ言えることがある。それは

 

地面の下のことはなかなか分からない

 

という当たり前のこと。

 

 原子力規制委員会の原発の新規制基準でも「活断層ではないと判断する基準」は「12〜13万年前以降活動していない」と定義されているが、活断層についても火山についても、それはあくまで推論として正しいだけで、「絶対大丈夫」の保証にはならない。

 

 もちろん「新規制基準」を批判したいわけでもなく、科学にも限界はあり、どこまでいっても、人間がこの大自然のすべてを理解できるわけではないと言いたいだけ。

 

 ちなみに現在までの研究で、御岳山は30万年間活動を休止したのち、約9万年前に関東地方にまで軽石などを降らせる大噴火を起こしたと考えられている。

長野県西部地震の土砂崩れで王滝川がせき止められてできた自然湖(撮影: Qurren)

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