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防災歳時記10月3日 東京オリンピックと日本武道館

日本武道館は1964年(昭和39年)東京オリンピックの柔道競技場として建設された(撮影: POHAN)

 今から49年前、1964年(昭和39年)の今日10月3日、あの「日本武道館」が完成した。

 

 武道館は東京オリンピック招致が決まり、柔道が正式種目として採用されたことから、オリンピックの柔道競技場として建設が始まったもので、総工費20億円(当時)、完成したのはオリンピック開会式を1週間後に控えた10月3日だった。

 

 オリンピック正式種目となった日本のお家芸「柔道」。

 

 すべての階級で金メダルを取ることが必須の東京大会で、日本柔道陣は、68キロ以下級、80キロ以下級、80キロ超級で金メダルを獲得するが、最も重要なのは「無差別級」だった。

 

柔よく剛を制す。小よく大を制す

 

 本来、武道に「体重別の階級」は関係ない。「無差別級」で勝利することこそ「世界最強」の証し。

 

 しかし、そこで予想もしないドラマが起きた。

 「無差別級」決勝9分22秒、意外にもオランダのアントン・ヘーシンクが日本の神永昭夫を「けさ固め1本」で下した。

 

 その瞬間、武道館1万4000人の観客は水を打ったように静まり返ったという。

 

 そして次の瞬間、感極まったオランダチーム関係者が土足で畳に駆け上がろうとするのをヘーシンクは静かに制止した。

 

 「礼に始まり礼に終わる

 

 日本の柔道は負けたが、その礼節を重んじる「高い精神性」が遠く世界に広まり、柔道が真の意味での「国際競技」になった瞬間だった。

 

 2020年東京オリンピックの新国立競技場は、ロンドン大会のメインスタジアムの約3倍、29万平方メートルの床面積で、約8万人の観客を収容する。

 

 その高さは70メートルにも達し、「景観を損ねる」とすでに問題が起きている。

 

 東京オリンピック準備のためには、壮大なコストも労力も必要となり、トラブルも絶えないだろう。

 

 決して愉快なことばかりではない。

 

 しかし、それでも、そうした苦労が報われるような素晴らしいドラマが7年後の東京で繰り広げられ、人々に感動を与えられることを切に期待したい。

2020年東京オリンピックのための新国立競技場は29万平方メートルの床面積、高さ70メートルで約8万人の観客を収容する

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