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防災歳時記10月7日2008TC3 SF小説が現実になった日

米カリフォルニア州SETI研究所のピーター・ジェニスケンスらにによって発見された「2008TC3」の破片(出典: NASA /SETI /P. Jenniskens)

 アーサー・C・クラークが1973年に発表したSF小説「宇宙のランデブー」の中で「宇宙監視計画スペースガード」という組織が謎の物体を発見する。

 

 この組織名にちなんで、いまや現実に「スペースガード計画」という組織が存在する。

 

 スペースガード財団の本拠地はイタリアだが、世界各国が協力しており、日本にも「日本スペースガード協会」が存在する。

 

 その目的は、地球に衝突する危険性のある小惑星やスペースデブリと呼ばれる人工衛星などの残骸を監視し、位置を正確に予測し、衝突の危機を未然に防ぐこと。

 

 最近は米航空宇宙局(NASA)が「小惑星捕獲計画」の実現を目指したりと、かつてのSF小説の世界は現実のものとなりつつある。

 

 そして今から5年前、2008年の今日10月7日、そのスペースガード活動が現実に試される日が初めてやってきた。

 

 「2008TC3」と呼ばれるその微小天体は、推定直径2〜5メートル、推定質量8トン。

 

 最初に「2008TC3」を捉えたのは、米アリゾナ州・レモン山天文台の望遠鏡だった。

 

 衝突から約20時間前の10月6日早朝。

 

 それから19時間の間にアマチュア、専門家問わず586回の観測報告が行なわれ、ついにNASAのジェット推進研究所(JPL)の衝突モニターシステム「セントリー」が「2008TC3」が地球へ衝突するとの予測をはじき出した。

 

 10月7日、「2008TC3」はアフリカ・スーダン上空の大気圏に、秒速12.8キロの猛スピードで突入、大きな火球を発生させ、高度37キロの地点で爆発した。

 

 人類が初めて、地球に衝突する天体を大気圏突入前に捕捉し、軌道の予測に成功した瞬間だった。

 

 小惑星衝突は、今や地震・津波、噴火、核と並んで、その対処にむけて世界が、その頭脳を結集させる「リアルなリスク」として認識されている。

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