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防災歳時記11月13日 祭りの夜の惨劇 最悪の人災

南米コロンビアの活火山ネバド・デル・ルイス火山(撮影: Dr EG)

 それは祭りの夜だった。

 

 今から28年前、1985年の今日11月13日、その惨劇は起きた。

 

 南米コロンビアのネバド・デル・ルイス火山は、その2日前に水蒸気爆発が発生し、山の西側斜面を噴火泥流(ラハール)が27キロも流下した。

 

 同火山は標高5321メートル、頂上付近は常に雪で覆われている。

 

 噴火によって融かされた雪と火山灰は一緒になって斜面を流下する。

 

 日本では噴火泥流も含めて広く「土石流」と呼ばれており、その猛威は台風26号による伊豆大島の被害でも記憶に新しい。

 

 そして、最初の水蒸気爆発から2日後の夜9時、ネバド・デル・ルイス火山は再び噴火を起こし、土石流は東側斜面を流下、噴火から2時間半後の夜11時過ぎに100キロ以上離れたアルメロの町を飲み込んだ。

 

 祭りの当日ということもあり町を訪れていた人も多く、当時の人口2万8700人のうち2万1000人が命を奪われた。

 

 事前にコロンビア国立地質鉱山研究所がハザードマップを作成していたが、誰もそれを注視することはなかった。

 

 さらに非難指示で、祭りに影響を与えてはいけないとの配慮から、市長はラジオで「噴火はない」と放送し続けていた。

 

 2008年ユネスコは、この惨事を「世界最悪の人災による悲劇ワースト5」の一つと認定している。

 

 アルメロの町では、多くの人が泥に埋まったまま身動きが取れなくなっていた。

 

 13歳の少女オマイラ・サンチェスも首から上と手だけが泥から出た状態で救助を待ち続けたが、3日後に力尽き、息絶えた。

 

 その悲劇の一部始終は、当時、世界中に報道されていた。

 

 あどけない瞳で、ひたすら救助を待つ少女と、その少女が力尽き、泥の中に沈んでいく様は、30年近く経った今も、脳裏にこびりつき離れない。

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