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防災歳時記11月25日 女性に対する暴力廃絶のための国際デー

運動の中心となった三女ミネルバ・アルヘンティーナ・ミラバル

 今日11月25日は「女性に対する暴力廃絶のための国際デー」と、1999年の国連総会で制定された。

 

 今から53年前、1960年の今日11月25日に、ドミニカ共和国の反体制運動家ミラバル姉妹が殺害された。

 

 当時のドミニカはトルヒーヨ大統領による独裁政権下。

 

 上流階級の家庭に生まれたミラバル姉妹だが、この独裁政治がドミニカの経済を混乱させる原因と考え、特に三女のミネルバを中心に反トルヒーヨ政権の運動に身を投じる。

 

 ミネルバに続き、長女パトリア、四女アントニアも運動に身を投じ、次第に「反トルヒーヨ政権グループ」が形成されていった。

 

 この反体制派の人々にミラバル姉妹は「Las Mariposas(蝶)」と呼ばれていた。

 

 こうした彼女たちに政権側は弾圧を加え、度重なる投獄、拷問の末、男たちが姉妹を拉致、サトウキビ畑で殴打の末、絞殺した。

 

 トルヒーヨ大統領は「革命の蝶」を抹殺することで、政権への脅威をぬぐい去れると考えていたが、結果は逆だった。

 

 彼女たちの死が国民の大きな怒りを生み、国際社会から注視されることになる。

 

 ミラバル姉妹の死から半年後、トルヒーヨ大統領は米CIAの支援を受けた側近に暗殺される。

 

 その遺体には27発もの弾丸が撃ち込まれていた。

 この「ミラバル姉妹の死」をきっかけに制定されたのが「女性に対する暴力廃絶のための国際デー」。

 

 しかし、今年6月に世界保健機関(WHO)が発表した調査によれば、全世界の女性の3分の1以上が、男性からの暴力、または性的暴行を経験しており、女性が犠牲者となった殺人事件の38%は、夫もしくは恋人によるものだという。

 

 いまや女性に対する暴行を加える加害者は独裁政権よりも、身近な人物。

 

 WHOは「夫や恋人による暴力が女性に対する暴力の最も普遍的なタイプ」と指摘している。

 

 WHOのマーガレット・チャン事務局長は、「この報告は、女性に対する暴力が世界的流行とも言える大問題だということを強烈に示している。世界の医療・保健機関は暴力を受けている女性に対し、より多くの対応をすべき」と警告する。

 

 ミラバル姉妹の死からすでに53年。

 

 女性に対する暴力が世界からなくなる日は、いつ来るのか。

マーガレット・チャンWHO事務局長(出典: US Mission Geneva)

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