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防災歳時記11月26日 北伊豆地震と丹那断層

北伊豆地震で倒壊した家屋(昭和5年北伊豆地震報告より引用)

 今から84年前、1930年(昭和5年)の今日11月26日、直下型の地震「北伊豆地震」が発生した。

 

 震源地は静岡県伊豆半島の付け根(北部)に位置する函南町付近。規模はM7.3

 

 震源付近の震度は「6〜7」、東京都心などでも震度4〜5を観測、なんと大分県でも震度1を観測した。

 

 この地震での死者・行方不明者は272人

 

 伊豆半島北東部には、箱根のふもとから函南町の丹那盆地を通り、伊豆市へ、約30キロの活断層『丹那断層』が南北に走っている。

 

 北伊豆地震は、この丹那断層が震源地だった。

 

 折しもこの時、丹那盆地の地下では、当時としては極めて大規模なトンネル工事が行なわれていた。

 

丹那トンネル

 

 その当時までの東海道本線は、「箱根の山」の北側をぐるっと迂回する、現在の「御殿場線」を使って、神奈川県側と静岡県側が結ばれていた。

 

 これを、熱海から箱根の南麓丹那盆地の地下を通って函南町に一気に抜けようという「世紀のトンネル工事」だった。

 丹那盆地は、その地下に豊富な地下水をたたえていたため、トンネル工事は当初から難航を極めていたが、着工から2年後、静岡県側(西側)から掘り進んでいたトンネルが、丹那断層に到達した。

 

 この断層を突破しようと、大量にわき出す地下水を抜くための水抜き坑を掘削していた、まさに最中だった。

 

 北伊豆地震が発生し、丹那断層は北に約2メートルずれた。

 

 今までトンネルだったところに、断層の断面が広がり、穴をふさいでいた。

 

 これにより、丹那トンネルは、直線ではなく、断層がずれた分を修正するために、今でもわずかにS字型のトンネルとなっている。

 

 現在、東海道山陽新幹線が走る「新丹那トンネル」も、東海道本線の丹那トンネルと仲良く平行して走っており、同じくこの丹那断層をきれいに横切っている。

 

 丹那断層は、ほぼ1000年に一度の周期で大地震を起こしているため、今後数百年は地震の心配はないとされている。

 

 福島第一原発事故以来、活断層上の原子力発電所の立地が取りざたされるようになった。

 

 だが、活断層の上に建てたら危険なのは、何も原発に限らない。

 

 一方で日本にある活断層の数はなんと約2000

 

 「危ない」とは分かっていながらも、「活断層の上」に建ててしまっているものは、今も全国無数にある。

丹那トンネルの工事では、大量の湧水に悩まされた(出典: 『鉄道80年のあゆみ 1872 - 1952』日本国有鉄道)

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