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防災歳時記11月29日 国電同時多発ゲリラ事件

浅草橋駅は犯行グループ約120人に放火された(撮影: chidorian)

 今から28年前、1985年(昭和60年)の今日11月29日未明、首都圏や大阪で国鉄や西武鉄道の線路の通信・信号用ケーブルが33カ所にわたって切断され、3000本以上の列車が運休、通勤客など600万人以上に影響が出るという「同時多発ゲリラ事件」が発生した。

 

 さらに犯行グループ約120人は、午前7時前に総武線浅草橋駅のシャッターをこじ開けて駅構内に侵入、火炎瓶を投げつけて放火した。

 

 当時、中曽根内閣の「行革」のもとに進められていた「国鉄分割民営化」に強く反対していた労働組合「動労千葉」を支持する「中核派」の犯行と断定された。

 

 この事件は、動労千葉が行なったストライキ当日であり、動労千葉自体も「自分たちを支援するもの」と表明した。

 

 これに対して、「鬼の動労」を作った動労本部の故松崎明委員長は「ゲリラを誘発したストライキ」と非難、同じく分割民営化に反対していた「国労」や日本共産党も千葉動労を批判し、世論は「分割民営化」に一気に傾いていった。

 

 国民には等しく、賃上げや待遇改善を求めて「スト」を打つ権利が憲法で保障されている。

 

 しかし、世の中には、自分の安い賃金や待遇の悪さといったものとは天秤で測れない「大切なもの」がある。

 

 例えばこのゲリラ事件のように、本来最も守るべき「交通の安全」をみずから破壊する行為。

 

 「公共交通の使命」なんて社会的責任を振りかざさなくても、それが「鉄道マンのプライドにもとる行為」だったから、目的を同じくする他の労働組合からも反発を買ったのだ。

 

 どんな職業でも、もし自分の仕事になにがしかのプライドすら持てないのであれば、それはもはや「職業」とは言えず、ただ金を稼ぐための「苦役」でしかない。

 

 問題が相次ぐJR北海道でも、労働組合の問題が指摘されているが、病巣がどこにあるにせよ、この会社が、「怠惰」と「欺まん」という方法で、最も大切な「職業に対するプライド」を自ら傷つけ、その結果、職業は「苦役」に成り果て、さらなる「プライドの毀損」が進む、という「負のスパイラル」に入っているような気がしてならない。

 

 JR北海道の問題に、あまりに「意識のギャップ」を感じてしまうのは、「北の大地の鉄道マン」と言えば、映画「鉄道員(ぽっぽや)」で、厳寒の駅頭に立ち尽くす高倉健さんの寡黙な姿を思い出してしまうせいか。

 

 

「俺はぽっぽやだから……」

 

 

 この時代、映画のように家族や生活を犠牲にしてまで、高い職業倫理を持ち続けろとは言わないが、不器用なまでに鉄道マンとしての生き方を貫く高倉健さん演じる駅長のセリフがふと心に沁みる。

あまりにギャップを感じるのは、「北の大地の鉄道マン」と言えば、映画「鉄道員(ぽっぽや)」の高倉健さんを思い出してしまうせいか(映画のロケ地となった幾寅駅前)

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