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竜巻予測はどこまで可能か 2014年の災害対策へ向けて

9月2日に埼玉県越谷市や千葉県野田市などを襲った竜巻被害の惨状/気象庁HPより引用

 冬に青森県の酸ケ湯で566cmの積雪記録を観測したり、夏に高知県で最高気温41.0℃を観測したり。2013年は各地で異常気象に見舞われたが、忘れてならないのが竜巻であろう。

 

 9月2日に埼玉県の越谷市や千葉県野田市などを襲った大きな竜巻は、建物や電柱をなぎ倒し、両市での負傷者は64人、住宅は全壊17棟と半壊・一部損壊1203棟という多大なる被害を生んだ。

 

 気象庁によると、この竜巻の大きさは藤田スケール(1971年、シカゴ大学の藤田哲也博士が考案)では、毎秒50~69mの風速となる「F2」(毎秒117~142mのF5が最大)に位置付けされている。

 

 その内容は「住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。自動車が道から吹き飛ばされ、汽車が脱線することがある」と、まさに突風に襲われた両市の惨状そのものであった。

 

 こうした竜巻から自身の身を守るにはどうすべきか?

 

【屋外の場合】
・頑丈な構造物の物陰に入って身を小さくする
・物置や車庫、プレハブは危険
・電柱や太い樹木の側は危険

 

【屋内】
・窓のない1階の部屋に待機
・窓がある場合にはカーテンを閉める
・テーブルの下などに入る

 

 気象庁では上記のような避難法を提示する一方、実は「竜巻予測」というものを公開しているのをご存知だろうか。

 

さいたま市で発生した台風が越谷市から野田市を越えて茨城県坂東市まで/気象庁HPより引用

 

◆竜巻発生確度ナウキャスト

 この竜巻予測は、全国20カ所に設置された「気象ドップラーレーダー」によって日本全土がカバーされており、仕組みとしては、アンテナから発射した電波が戻ってくるまでの時間から雨や雪の距離や強さを測っている。

 

 竜巻についてはそのスケールが数10m~数100mと規模が小さいため、直接の観測ができず、発生頻度が高いとされる発達した積乱雲(数km~10数km)から予測している。

 

 ただし、現時点では予測的中率が低く、その精度は「発生確度2」で5~10%、「発生確度1」で1~5%。

 

 いささか心もとないが、竜巻はひとたび遭遇すれば巨大台風かそれ以上の被害をもたらすため、発生数が多いとされる9月には、毎日注意を払っておいても損ではなかろう。特に気象庁から「竜巻注意情報」が発表された場合には、平常時に比べて発生率が200倍となっているため、軽視は禁物だ。

 

 なお、陸上で発生する竜巻は年平均13回程度と非常に回数が少なく、突発的に発生するため確認されないケースもあり、予測技術の進歩はこれからの課題。また、2013年9月の被害を受けて、官房長官でも「対策の見直し」を掲げたばかりである。

 

 気象庁では竜巻予測について「空振りが多いので、情報発表に連動して負担の大きな対策を実施するのは難しい」と苦汁の文言を記している。

 

 あとはそれをどう受け取るか。現状は我々の防災意識に委ねられるところが大きい。

渦を巻いて移動する姿が恐ろしい(9月2日越谷市在住の方が撮影)/気象庁HPより引用

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