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防災歳時記1月8日 人工惑星のユニークな目的

宇宙科学研究所が打ち上げた日本初の人工惑星「さきがけ(MS-T5)」(出典: NASA/JPL)

 『人工衛星』というのはよく聞くが、『人工惑星』というのはご存知だろうか?

 

 人工衛星は、その名の通り、月(衛星)のように地球の周りを周回するから「人工衛星」。

 

 人工惑星は、地球(惑星)のように太陽の周回軌道を回るから「人工惑星」。

 

 で、今から29年前、1985年(昭和60年)の今日1月8日に、日本初の人工惑星「さきがけ」が打ち上げられた。

 

 「さきがけ」の目的は、ハレー彗星に接近して、彗星付近の太陽風による磁場などを観測すること。

 

 地球と並走するように太陽を公転する軌道に投入された「さきがけ」はハレー彗星から699万キロの距離まで接近して、その磁場やプラズマを観測した。

 人工衛星もすごいが、人工惑星の目的はさらにユニークでSF的だ。

 

 昨年9月に運用を終えた米航空宇宙局(NASA)のディープ・インパクトは、その名の通り、テンペル第1彗星に重さ約370キロのインパクターを打ち込み、彗星の内部構造を解明するのが目的だった。

 

 現在、欧州宇宙機関(ESA)が運用している「ロゼッタ」は、今年11月に、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸機フィラエを投下するのが目的。

 

 成功すれば人類史上初の、「彗星への着陸」になる。

 

 そして、日本の宇宙研究開発機構(JAXA)が2010年に打ち上げた「IKAROS(イカロス)」の目的は、さらにすごい。

 

 その目的は、「光子セイルによる宇宙帆船」の実験。

 

 確か映画「スターウォーズ」にも登場していたが、太陽の光を帆に受けて、その反作用で宇宙空間を悠々と航海するソーラーセイル

 

 実際には、それだけでは、まだあまり推力が得られないので、IKAROSはセイル表面に薄い太陽光発電の膜を張り、それによってイオンエンジンも駆動する、いわばハイブリッド。

 

宇宙のプリウス」のようなもの。

 

 一辺が14メートルの金色に輝く「宇宙の凧」のようなIKAROS。

 

 その帆が受ける太陽の光の圧力は約0.1グラム、すなわち1円玉の10分の1にしか過ぎない。

 

 しかし、空気抵抗のない宇宙空間では、太陽の光を受け続けている限り、無限?に加速することができ、理論上は「宇宙で最速の船」にもなれるはず。

 

 悠々と光を受けて宇宙空間を進むIKAROSには、SF的未来への夢が乗っている。

太陽光を帆に受けて進む宇宙帆船「IKAROS」のイメージ図(出典: JAXA)

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