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高精度磁力計でセンチ単位の津波も予測可能に JAMSTEC

(上)新規開発されたベクトル津波計(中)海底での設置状況(下)模式図(JAMSTECプレスリリースより引用)

 独立行政法人「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」は8日、海底に設置した海底電位磁力計(OBEM)で、微小な磁場変化を捉えることにより、センチメートル単位の津波でも、その大きさや方向などを検出することができる手法を確立したと発表した。

 

 電気を通す物体(導体)を磁場の中で動かすと、電磁誘導により電流が流れる。そしてこの電流によって、動いた導体の周りには二次的な磁場も生じる。

 

 地球には「地磁気」が存在する。そして海水も導体なので、海水が動けば、当然ながら、この「二次的な磁場」が発生する。

 

 この原理(海洋ダイナモ効果)を応用すれば、海底に設置された海底電位磁力計(OBEM)で、津波の到達時刻、大きさ、方向がリアルタイムに計測可能になる。

 

 しかし、地球上の磁場は太陽の活動により大きく変動している一方で、津波による磁場変化は、それよりはるかに小さいため、検出は困難だった。

 

 これを高精度・高分解能のOBEMで観測することにより、「太陽活動による磁場変化」というノイズを除去して、センチメートル単位での津波観測を可能にする手法を今回、JAMSTECが確立した。

 

 JAMSTECでは、2010年に発生したチリ地震津波を、震源から7000キロも離れたタヒチ島周辺の海底電磁場アレイ観測網で捉え、この磁力計の解析結果と、微差圧計(高精度な水圧計)のデータを比較することにより、磁力計の解析データが正確に津波の情報を捉えていることが立証されたもの。

 

 JAMSTEでは、この観測手法により、日本沿岸に到達する津波の大きさと到達時刻を早期かつ精度高く予測することが可能としており、海底微差圧計とOBEMを組合わせた新たな海底津波観測装置(ベクトル津波計と命名)の開発を行なう方針。

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