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防災歳時記1月19日 沈む太陽 日本航空の破綻

JAL B767-300ER/photo by Kentaro IEMOTO@Tokyo

 今から4年前、2010年の今日1月19日、日本航空(JAL)が会社更生法を申請し、約2兆3221億円という巨額の負債額をもって経営破綻となった。

 

 前年10月に、当時の前原誠司国土交通大臣が「飛行機を飛ばさない事態にはならない」と発言したことで、一時は破綻を回避するかのような印象を国民に与え、後に「私企業に税金を投入するのか」と様々な問題を提起したが、結局、大きすぎる債務返済にメドが立たず、会社更生法という道を選択せざるを得なかった。

 

 ナショナルフラッグとも称され、日本を代表する航空会社の破綻に驚かれた方も多いだろう。

 

 しかし、その一方で、JALの崩壊をうっすらと予感していた方も少なからずいたハズ。奇しくも破綻前年の10月に映画『沈まぬ太陽』が公開されていたからだ。

 

 腐敗する“国民航空”を舞台に労働組合の委員長を務めた恩地元(おんち はじめ)は、会社の上層部に疎んじられ、アフリカやテヘランへの左遷人事にも耐えながら、日本に戻ってきてからは御巣鷹山墜落事故の救援係・遺族係を任される――。

 

 その、あまりに理不尽なストーリーには、憤り無しには見られない。

 

 しかし、この作品はあくまでフィクション。

 

 ご存知、原作は故・山崎豊子による同名小説であり、最初は1995年から1999年まで週刊新潮で連載されていた。

 故・山崎豊子と言えば『大地の子』や『二つの祖国』、『華麗なる一族』に『白い巨塔』など、圧倒的な取材量に基づいた大作ばかりを上梓してきたが、『沈まぬ太陽』もまた彼女の筆力によって5巻に及ぶ長編ながら瞬時に読み終えられるとの評判となっている。

 

 作品の中で描かれているのは、あくまで“国民航空”の話。

 

 しかし、それがJALのことを示しているのは明白であり、連載が掲載されていた1995-99年の間、JALでは不快感から『週刊新潮』の取り扱いをやめていたという。

 

 そして、その結果どうなったか。

 

 結局、JALは小説のごとく杜撰な経営管理によって巨額の負債を抱えて破綻。事前に準備が進められていただけに、飛行機が飛ばない事態だけは避けられたが、リーマン・ショック後の不景気な日本経済に暗い影を落とすこととなった。

 

 太陽はいつか沈む。

 

 しかし、日はまた昇る。今は新生JALが世界の大空を安全に飛ぶことを祈るだけだ。

 

3時間22分に及ぶ大作・映画『沈まぬ太陽』

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