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防災歳時記1月27日 「宇宙はみんなのもの」宇宙条約の制定

スプートニク1号(出典:JAXA宇宙情報センター)

 「宇宙条約」をご存じだろうか。


 SFの話ではない。日本も含め世界100ヶ国以上が批准しているれっきとした国際条約だ。


 正式名称は「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」

 

 今から47年前、1967年の今日1月27日にワシントン、ロンドン、モスクワで署名が行なわれ、同年10月に発効した。


 当時は米ソ冷戦の真っただ中。1957年にソ連が人類初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げ、翌58年にはアメリカもエクスプローラー1号で続いた。


 「宇宙」がファンタジーではなく、具体的な「軍事利用」の対象になり始めていた時代。これは放っておくと、宇宙の軍事開発が無秩序に進んでしまうのでは?誰かが抜け駆けする前に、ルールを作ってしまえ!……そんな思惑を各国首脳が抱いただろうことは想像に難くない。

 実際、急ピッチで作られた条約は、第1条に「探査・利用の自由」を謳いつつ、第2条では「国家による領有権の主張」を禁止。大量破壊兵器を運ぶミサイル衛星などを地球の軌道にのせたり、宇宙空間に配備することを禁じ、「宇宙はみんなのものですよ。平和に利用しましょう」とアピールしている。


 さらに、国際社会は条約発効後も、1960年代から70年代にかけ、宇宙救助返還協定(遭難した宇宙飛行士の救助、物体の返還)、宇宙物体責任条約(何かを打ち上げて損害を生じさせた国は故意・過失問わず責任を負う)などと、次々に宇宙に関するルールを定めてきた。

 だが、宇宙に進出する国がごく少数だった当時と違い、今や中小町工場が人工衛星を作り、一般人の宇宙旅行さえ夢ではなくなった時代だ。


 宇宙空間を「国家」という枠組みで捉えていていいの?と疑問が生じる。


 2012年にナチスの残党が月の裏側に逃げのびて、地球に逆襲するというダークコメディー映画「アイアン・スカイ」が公開され、ちょっとした話題になったが、冗談めかして言えば、こんな事態も宇宙条約で規制できるかはあいまいだ(実現可能性はさておき)。


 さらに、盛んな宇宙開発の結果、宇宙は”ゴミ”でいっぱいになっている。停止した人工衛星や打ち上げロケットの部品など、「スペースデブリ」は望遠鏡やレーダーで観測できる10センチ以上のものだけで約1万6000個に上ると言われている。


 民間競争にゴミ問題。宇宙が身近になった分、ロマンだけでは宇宙を語れなくなったということだろうか。

低軌道のスペースデブリの分布(出典:JAXA)

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