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防災歳時記2月13日 リクルート事件と「国会のねじれ現象」

証人喚問中の江副浩正氏

 今から25年前、1989年(平成元年)の今日2月13日、東京地検特捜部は江副浩正リクルート社会長を贈賄の容疑で逮捕した。

 

 いわゆる「リクルート事件」。

 

 一言で言えば、江副会長が公開直前の子会社の不動産会社「リクルート・コスモス」の未公開株を有力政治家、官僚などに譲渡した事件だ。

 

 公開すれば、一気に株価が上昇するから、実体的には「お金をあげた」のと変わらない。(今どきなら未公開株を譲渡したからと言って必ず儲かるとも限らないが…)

 

 が、江副会長が株券をばらまいた相手がハンパない。

 

 時の首相 竹下登氏を筆頭に、宮澤喜一蔵相、中曽根康弘前首相、安倍晋太郎自民党幹事長、渡辺美智雄自民党政調会長、のちに首相になる森喜朗氏、NTT会長、文部事務次官、労働事務次官、果ては日経新聞社社長まで…。

 ものすごいスケールの贈収賄だが、あまりに広範にばらまいたので、地検特捜部は「何のための賄賂のなのか?」の具体的な個々の因果関係が立証できず、有力政治家グループは一部の例外を除き、本人は何とか法的制裁を逃れられた。

 

 しかしそれでも、日本の政財界が受けたダメージは大きかった。

 

 安倍晋三首相の父親である安倍晋太郎幹事長を始め、次期総理・総裁候補の最右翼であった宮澤喜一氏、渡辺美智雄氏らは、竹下首相が退陣したにも関わらず名乗りをあげることができず、「首相の系譜」は、宇野宗佑氏、海部俊樹氏へと、思わぬ方向へ舵を切っていった。

 

 そして1989年、リクルート事件のまっただ中で行なわれた参議院選挙で自民党は歴史的な大敗を喫し、結党以来初めての参議院での「単独過半数割れ」となる。

 

 リクルート事件をきっかけに海部俊樹内閣へと世代交代が進んだ、その遥かな延長線上に、父の果たせなかった夢を継いで、「総理・総裁の座」を勝ち取った現在の安倍晋三政権がある。

 

 そして、安倍首相が「国会のねじれ現象を解消できた」と勝利宣言をした昨年夏の参議院選挙だが、それも自民・公明連立政権での「過半数」。

 

 1989年以来、25年経っても自民党単独過半数の夢は果たされていない。

 

 江副浩正氏も、昨年この世を去った。

 

 しかし、こうやって記憶を紡いでみると、現在でも政治の「ある部分」は、25年前のリクルート事件の影をいまだに引きずっていると思えてくる。

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