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防災歳時記3月6日 冷凍食品とゴミムシとエノキダケ

日本初の市販冷凍食品は冷凍イチゴだった

 今から84年前、1930年(昭和5年)の今日3月6日、米ゼネラルフーズがマサチューセッツ州で世界初の市販冷凍食品を発売した。

 

 えんどう豆1袋が35セントと割高だったため不人気だったようだが。

 

 そして同年には日本でも、大阪梅田の阪急百貨店で国内初の市販冷凍食品「イチゴシャーベー(冷凍いちご)」が販売された。

 

 販売したのは戸畑冷蔵(現日本水産)。こちらは物珍しさも手伝って当初はそこそこ売れたとか。

 

 エスキモーが氷の中にアザラシの肉を保存したことから始まったとも言われる冷凍食品の歴史だが、今や家庭の食卓において、冷凍食品は必需品だ。

 

 その製造技術の向上や冷凍装置の高度化は凄まじいものがあり、味も、かつてとは格段に向上している。

 

 しかしそんな現在でも、冷凍してしまうと風味が損なわれる食材もいっぱいある。

 例えば「マグロのサク」とか「豚肉」や「牛肉」。

 

 解凍した時点で、「ドリップ」と言われるうま味成分が含まれた汁が出てしまい、風味や歯ざわりが損なわれる。

 

 これは冷凍する時にや解凍する時に、凍った水分=氷の粒子が膨張し、細胞を破壊してしまうから。

 

 しかし最近、この問題を解決する画期的な技術が開発されつつある。

 

 それは、「不凍たんぱく質」や「キシロマンナン」と呼ばれる不凍物質。

 

 こうした物質は、零度以下の地域に生息する動植物がなぜ凍ってしまったり、細胞壁が破壊されたりしないのか?を解き明かす過程で発見された。

 

 例えば「不凍タンパク質」はカレイなどの魚類などから発見されているし、冬場に生えるダイコン(暖かい季節に生えるダイコンにはない)などからも見つかっている。

マグロや豚肉・牛肉は解凍した時点でドリップが発生して風味が損なわれる

 自然界には、極寒の地に生物が生息するための秘密があったのだ。

 

 ちなみにキシロマンナンが発見されたのはアラスカの雪の中に住むゴミムシダマシという昆虫から。

 

 こうした不凍物質を食品(もしくは素材)に混ぜて冷凍すると、凍りはするのだが、氷の粒子が大きく成長せず、細胞を破壊しないため、ドリップが発生しないのだ。

 

 すでに一部の冷凍食品には活用されているとのことだが、「虫の汁が入った食品はいやだな」(それもゴミムシとか言う名前がついているは…)と思ったら、最近、エノキダケからも発見されたとのこと。少しホッとした。

 

 だがいつの日か冷凍食品(食材)が、生のものと変わらない味になったら、「冷凍食品だと表示していない」などと、新たな「食の偽装」問題が発生するのだろうか?

 

 考えてみれば、「食の偽装」って、食べる人が言われなければ分からないほどに、「本物の味と同等」にならなければ起きないこと。

 

 それって、いけないことなんだっけ?

 

 考えているうちにだんだん分からなくなってきた…。

エノキダケのキシロマンナンが冷凍食品に革命を起こす?

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