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大量絶滅の原因は小惑星衝突で発生した硫酸?

 地球生物の長い歴史の中で、何度か「生物の大量絶滅」が発生しているが、それがなぜ起きたのか?についてはまだ完全に分かっていない。

 

 例えば、約6550万年前、巨大な恐竜たちが闊歩する中生代が突如終わり、ほ乳類たちの新生代が始まった境目を地質学では「K-T境界」と呼ぶが、この時に大量絶滅が起きた原因として、現在最も有力な候補が「小惑星の衝突」。

 

 メキシコ・ユカタン半島にある小惑星衝突跡「チクシュルーブ・クレーター」に衝突した小惑星(直径10〜15キロと推定)の衝撃が、地球上の生物の70%を死に追いやったと考えられている。

 

 その衝撃は広島型原爆の約10億倍、地震の規模はM11以上、これによって生じた津波の高さは約300メートルと推定されている。

 

 しかし、この小惑星の衝突で「すべての生物」が絶滅したわけではない。生き残った種もいる。

 

 その一つの答えになるかもしれない日本人研究グループの論文が10日、科学誌「ネイチャー ジオサイエンス」オンライン版に掲載された。

 

 同論文によると、生物を大量絶滅に追いやった原因は、小惑星衝突の衝撃で発生した硫酸エアロゾルが海洋表面を強酸性化させたことと推測している。

 

 この研究では、チクシュルーブ・クレーター周辺の土壌で見つかった硫酸カルシウム(硬石膏)に対し、衝突実験を行ない、衝突で生じた気体の組成を分析した。

 

 すると小惑星が衝突した速度(秒速約20キロ)に近い速度では、硫酸カルシウムの硫黄は蒸発して三酸化硫黄となり、大気中の水蒸気と反応して硫酸エアロゾルを形成することが分かった。

 

 この硫酸エアロゾルは、2〜3日後には地球表面に降り注ぎ、地球の表面は硫酸で覆われ、強酸性化したと見られる。

 

 これにより海洋表層の生物は死滅したが、深海では強酸性化の影響が比較的少なかったため、深海生物は、このK-T境界を生き残ることができたとの説明も可能なようだ。

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