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防災歳時記3月16日 なぜイングランドがサッカーの母国なのか

 2014年はブラジルでサッカーW杯が開催される。

 

 我らがサムライBLUEも現地に乗り込んで大いに暴れていただきたいが、本田選手が常々口にしている優勝にはいくつもの高い壁が立ちはだかる。

 

 ブラジル、アルゼンチンなどの地元南米勢に、前回優勝のスペイン、イタリアなどの欧州強豪。そしていつも優勝候補に挙げられるのが、サッカーの母国・イングランドである。

 

 しかし、イングランドがなぜ「母国」として特別な扱いをされるのか? その理由は意外に知られていない。

 

 今から142年前、1872年の今日3月16日に世界最古のサッカー大会・FAカップ決勝戦が英国で開催された。

 1872年というと、日本では明治政府が出来たばかりの頃。国内動乱でスポーツに精を出すどころか、その概念すら存在しない頃に、イギリス国内では史上初のサッカー大会が開かれていた。

 

 さすが母国にはとてもかなわない。

 

 では、イタリアやスペイン、ドイツなど、今やイングランドよりW杯の実績がある欧州各国はどうだったのか?

 

 実はイタリアでも、15世紀頃からボールを蹴る遊びのカルチョ(サッカー)があり、他国でも似たような状況だった。

 

 つまりサッカーは、イギリスでゼロから発生し、ヨーロッパに少しずつ浸透していったというスポーツではなく、はじめから各地に点在しており、最初にルールを明確化したのがイングランドだったのだ。

 

 イギリスで、最初に「手をつかってはいけない」と決まったのが1863年のことで、これによりサッカーという競技が明確に生まれ、その9年後に最初のFAカップ決勝戦が開催された。

 

 Jリーグ発足前から毎年正月に決勝戦が行われている日本の天皇杯も、イングランドのFAカップ戦がモデルになっている。

 

FAカップのトロフィーを最も獲得したチームは、香川の在籍しているマンチェスターUで11回/wikipediaより引用

 サッカーをルール化したのがイングランドだが、もともと欧州各国には原型となる遊びはあった。

 

 だからこそヨーロッパではサッカーの母国だけが飛び抜けたチームとはならず、イタリアやドイツ、スペインなども強豪国として存在してきた。

 

 ポルトガル・スペインに支配されていたブラジル・アルゼンチンなどが現在サッカー強豪国であるのも宗主国から伝わっていたからで、たとえイギリスとは縁が薄くても、競技が伝播するのには何ら問題はなかったのである。

 

 そもそも南米では、熱帯雨林からとれるゴムをボールにして蹴る遊びがあり、古いものだと紀元前にまで遡るという。

 

 そして意外や意外、「現代まで続く」という条件でならば、世界最古の蹴球競技は日本の蹴鞠(けまり)だそうだ。

 

 平安貴族から続いてきた蹴鞠。

 

 残念ながらサッカーの強弱とは無関係だが、日本にだって他国に負けない蹴球の歴史はあった。

 

 だから何だと言われれればそれまでかもしれないが、もしもW杯で「母国」と対戦することになったとき、相手に対して引け目に思うことだけは避けたいものである。

17世紀のイタリアで描かれたカルチョの様子/wikipediaより引用

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